見出し画像

行動分析ツールは導入した方が良いのか?

行動分析ツールの導入についてご検討いただく際の重要な要点についてお伝えさせていただきます。

一つお伝えしたいのは、私が経験してきたツールは良いものだということです。同業のツールも間違いなく良いだろうと思います。
「良いもの」=「良いインサイトを得られている」という意味です。

私自身、国内スタートアップ、中小企業から大企業まで導入実績があります。導入前の状況もさまざまで、分析を何もしていない企業はもちろん、チームを組んで分析に本格的に取り組んでいるという企業もありました。
いずれの企業でも、有意義なインサイトを得ることができてきました。

これら専門のツールがない場合にどうしているかを簡単に書くと、Google AnalyticsやAdobe Analyticsを使用していることが一般的です。
さらに力を入れている企業は、Google BigQueryなどのDWHにデータを蓄積し、様々な仕組みで分析をしている場合もあります。
若干失礼な言い回しになってしまうかもしれませんが、企業内のナレッジには限界があると思っています。
一方で私が所属をしていた製品はSaaSであり、より良いインサイトを提供することが事業の中核です。世界中のユーザーからのフィードバックも踏まえてプロダクト改善をし続けています。
導入するだけで世界でもトップクラスの企業と同じ機能を利用できるので、インサイトを見つける力は期待頂いて大丈夫です。

ただし、インサイトが出ればビジネスが伸びるかというとそうではありません。

具体的な例を6つほど例をご紹介します

  1. データを見るまでもなくやりたいことがある

  2. リリース後のPDCAを想定していない

  3. 改善活動に対する優先順位が低い

  4. 複数の部門が関わる

  5. リリースサイクルが固定化されている

  6. プロダクトが上層部の好み・経験で作られている

それぞれについて簡単に補足します

1. データを見るまでもなくやりたいことがある

インサイトを出した後、こう言われたことがあります。

「あ〜、この課題ね。前から気になっていたんだよねー」

データを見なくても、自社のサービスをよくするために大小直したいところがあるのが普通だと思います。どこから手をつけたら良いかわからないくらいに多いと言われるケースも多いです。
ではなぜ直せないか、これには組織の事情があると思います。(例)エンジニアのリソースが限られている、開発会社に依頼する予算がない、当時担当していた人が離れてしまっているなど
いずれの場合でも、課題があると思いつつ長期間手をつけられていない場合にはデータからインサイトを出しても同じく実行に至らない可能性があります。

2. リリース後のPDCAを想定していない

開発をアウトソーシングした場合など、運用後のPDCAは考慮されないケースもあるかと思います。リリース後はコンテンツの更新くらいしか想定していないことです。
変更しようとすると予算を確保して開発会社に発注する必要がありますが、すぐには難しいというものです。

3. 改善活動に対する優先順位が低い

会社の方針としては、運用後のPDCAよりも新しい機能追加やキャンペーンに力を置いている場合もあります。
コンバージョン率を上げるよりも獲得者を増やす方に重きを置いている場合、ユースケースとして合致しない可能性があります。

4. 複数の部門が関わる

ツールを展開する部門と利用者部門が異なっている場合、ツールが活用が促進されない場合があります。
データの民主化を目指して標準化を進める部門(Center Of Excellenceと言ったりしますが)を立てて社内に普及する場合がありますが、規模が大きくなるほど利用部門との温度差がでがちです。
グローバルカンパニーだと現地法人だったりすることもあるので、さらに難航する可能性があります。

5. リリースサイクルが固定化されている

基本的に行動分析のツールはPDCAのサイクルを早めることによってビジネスのグロースを目指すツールだと思っています。
リリースしたデジタルプロダクトのリリースのサイクルが長く固定化(年1回など)されて言われることもあり、それでも活用できるかは十分な精査が必要です。

6. プロダクトが上層部の好み・経験で作られている

プロダクトが社内で影響力のある人のこだわりから作られている。それを咎めるようなデータが出てきても進めることができないという場合はあります。
これは機能よりはデザインの方が起こりやすい気がしますが、どちらの場合でも発生しうると思います。
データからのインサイトは環境に変更がなければ同じ結果になるので、常に出続けることになるわけですし。。

一言でまとめると、「インサイトが出ても改善できない。施策が打てない。」場合は導入効果が出ない可能性があります。
もちろんこれらの状況であっても、絶対失敗するというわけではなく、利用する中で課題を解決することは可能です。

このページに辿り着いた人は少なからず行動分析ツールに興味があるかと思います。

なので、是非導入する方向で考えてみてください。

もし上記のリストに当てはまる場合、一歩止まって正しく活用できるかを検討いただくのが良いかと思います。
(個々に乗り越えた例もありますが具体的になるので割愛させて頂きます)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?