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ポスト・トゥルース時代。中国SNSでの炎上事件から思う

以前のノートでは、中国のKOL関連事業がいかに進んでるかについて紹介しましたが、負の一面も紹介しようと思います。

中国のKOL市場はかなり栄えてますが、競争がとにかく激しいです。注目を集めるためにインチキを捏造する人や故意に炎上する人もいます。そしてその炎上具合がすごい。日本のTwitterでも炎上を度々見ますが、Weiboのは規模が違います。

今日は、ちょっと前にweiboで話題になった@春秋两不沾(Chūnqiū liǎng bù zhān) についてを話します。

このIDは、女性が号泣して自分の悲惨な現状を話す動画をアップしました。内容は、半年以上とある男性から罵倒の電話とメッセージを受けている、強姦と殺しの脅迫も受けている、数回通報しても警察が何もしてくれない。とても怖くて、ネットで助けを求めるしかない といったもの。

僕も見ました。動画を見る限りあまりにも可哀想に見えました。

更に身分証明証と実名も出している。女性ユーザーの「いつか自分にもこんな目にあうかもしれない」という心理を掴んだこと、また警察の不甲斐なさへの怒りを煽る。これらの要因で短時間に数十万超えのRTを集めました。

その後対象の男性への「人肉検索」が始まります。男性の身元の情報がどんどんアップされ、罵倒が始まりました。

そんなのが1日くらい経過した後、ことは違う方向に発展します。男性は「自分が被害者だ」と主張し始めました。

実はWechatで出品したブランド品のブレスレットをこの女性から購入し、「元彼からのプレゼントでいらないから安く売る」という内容で買ったけど、届いたらあまりにもひどい偽物だったとのこと。

男性は「偽物ではないですか?おかしいでしょ?」と数回連絡しましたが、相手にされない、しかも女性からブロックされた、だから止むを得ず友達の携帯から数回連絡したがそれでも相手にされず諦めていた、と主張。

この展開にネットユーザーは何がなんだかわからなくなりました。

その後この女性がマネジメント会社に所属するKOLだったことが判明し、昔の言動が調査され、たくさんのおかしい点が見つかります。

この女性から偽物被害にあった人が新たに現れます。ここで警察の調査が入りました。警察から、この女性がネットでの偽物出品トラブルをフックに人気と世論を集めようとして作為的な動画を作ったと発表されました。

その後女性はデマ拡散で逮捕され、11万フォロワーあったweiboアカウントは使用停止になりました。

これは2週間くらい前のできごとです。これを中国語で「反转」(fǎn zhuǎn、リバース)と言ったりします。SNSが当たり前の時代になり、しかも動画が爆発的に普及していることで、こういった内容の話題が増えてきたように思います。

欧米でも言われていますが、中国もすでにポスト・トゥルース時代に入っています。中国のネットユーザーは、話題になっているニュースを見るとき、特に事件のニュースを見るときに「本当に真実か?もう少し様子を見よう」という人が増えてます。

今後「反转」がもっと頻繁になると、人々の関心はどうなっていくのだろうか...

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(参考資料)

http://m.szonline.net/think/hsbd/20190716/20190767089.html

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