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あまり知られていない中国の脱・貧困について

noteには中国の発展について書くことが多いですが、先日コメントで「中国には貧乏なところもいっぱいありますよ」と突っ込まれました。ごもっとも。

中国広いし近年急激に発展してきましたので。でも貧乏なところや現状良くないことの記事はマスメディアがしょっちゅう報道していると思いますので、ここではあんまり報道されてない中国情報を発信したい、自由に書かせてください笑。

今日はちょっと面白い脱・貧困に関する情報を紹介したいと思います。こちらは「Quora」でやり取りがあり、その後に中国の個人メディアがまとめたことで、中国で話題になりました。それまで中国でもあまり知られてなかったからです。


なぜ中国は他国に投資してるのに自国の貧困地域は発展しないの?

Quoraでの質問は「なぜ中国は他国には積極投資してるのに、自国の貧困地域は発展させないのですか」です。それなって指摘ですね。

それに対して面白い答えを提供していたのはケンブリッジ大学出身のJanus Dongye博士です。イギリス人かな。

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ちなみにこの方は以前にも「14億もいる中国人は一体どうやって食べられるの?」についての答えも中国で話題になりました。(これも面白いので良かったら下記のリンクからご覧ください)

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博士はまず「中国の貧困地域って具体的にどのあたりでしょうか?たった一つの貧困地域を例にして、中国がそこを発展させない、失敗したと証明できますか?」と疑問提起した後に持論を展開しました。

(ここからはJanus Dongye博士の発信内容なので常体で書きます、また画像は全部Quoraから引用)

中国の貧乏なエリアってどこか知ってますか?

まず、中国の一人当たりGDPの最も低い四つの省(日本でいうと県ですね)のデータは下記の通り。

甘肃省$4735、人口2600万
雲南省$5612、人口4800万
貴州省$6233、人口3600万
広西省$6270、人口4900万

これに対して、外国人が「中国の貧困地域と同じくらいかな」とイメージする国の一人当たりGDPの現状と比べてみると

インド$2036
ベトナム$2551
モンゴル$4026
アルバニア$5289
南アフリカ共和国$6377

となる。ちなみに上記の国はチベット(人口300万、一人当たりGDP $6550)や新疆(人口2400万、一人当たりGDP $7476)よりも低い。

中国はこちらの貧困省の発展のために何をしたかを記載する。

甘粛省

あまり馴染みがないかも知れないが、四川とモンゴルに挟まれてる甘粛省(かんしゅくしょう)の貧困はその地形に大きく関係がある。青海チベット高原と砂漠に挟まれているので。中国の最貧困地域。

中国政府の甘粛への投資とその発展についてを記載する。

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元々このような地域は人間が住むことに向いてないが、住んでる人もいる。

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↑ここが典型的な甘粛の田舎。赤い岩石に黄色い砂、深い峡谷。

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↑甘粛嘉峪关讨赖河大峡谷

ここはほぼ雨が降らないから農作物の栽培が非常に難しい。仮に奇跡的に小麦の栽培に成功したとしても、一番近い街に売りに出すにも5時間運転してやっと。

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さらに、もし仮に誰かがその小麦を買ってくれても、値段は大体1000㎏150ドル。小麦を山から出すと運送料と燃費で1000㎏100ドルを超え、他のコストを計算したら間違いなく赤字だ。

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↑これは甘肃省の山道です。

中国政府はこの問題の解決のために、「第十三次五年発展計画(2016-2020)」で、大量の予算を使ってこの山谷の間で高速道路、高速鉄道と橋を建設した。

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建造した橋も立派で「50級」のもの。
(橋のLevelについて彼からの説明があったので記載しときますね。上の「50級」も彼の表現)

↓こちらはフランスのとある「5級」の橋。とても短く、通るには山の中で下りたり登ったりしなければならない。

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↓こちらは甘粛のとある「50級」の橋、5級の橋の10倍の水準てこと。「天宁沟大桥」という橋。

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120km/hのスピードのままで通ることが可能。

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このような橋を作るにはかなりお金がかかるが、後にトラックや列車が節約する燃費出費合計を大きく抑えることが可能。

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また、他でもすでに「5級」の道路があったが、政府はその隣に「50級」の高速道路を作る。これにより、より速く、より最短で同じ目的地に着くことができ、運送コストの削減が実現できる。

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↑甘粛の普通の道路とS2高速道路が映ってます。

2019年、甘粛の「50級」の高速道路の長さは4242km。例えばこれはインドの全部の高速道路を足した長さの約3倍とのこと。

また、甘粛には四つの高速鉄道が通っており、時速は250kmから350kmの高速鉄道を利用可能。
政府は「第十四次五年発展計画(2021-2025)」では、甘粛のそれぞれの市に高速道路と高速鉄道を使えるように、と記述した。

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↑蘭州から新疆までの高速鉄道。

こちらの基盤建設が整ったら、地方の農民がより速いスピードとより低いコストで農作物の運送ができ、農業で生活できるようになる。

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そしてもう一つの例として、例えばタオバオでスマホを買う場合、深センから敦煌(とんこう、甘粛省北西部の都市)までの距離は3500キロくらいで、運送コストは15元(約2.2ドル)、3日間で到着する。

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同じ距離と同じ重さでアメリカで運送した場合、そのコストは26.13ドルとなるとのことで、これは中国の13倍である。

GDPを計算する時には、26.13ドルも2.2ドルもコストとしてカウントアウトされ、26.13ドルで計算される場合GDPが高いです。よって甘粛は我々が想像するほどの「貧乏」ではない。

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さらに甘粛は素晴らしい風力資源を持っている。地域の自然環境で、寒い高原と暑い砂漠に挟まれて、風がとても強い。

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ここには世界最大の陸上風力発電所がある。

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また、太陽光発電も多い。↓はグーグル地図で見たもの。

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↓これはある太陽光発電所の灯台です。

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