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どうしてAmazonは中国で苦戦するの?

Amazon報道を見て思うことがあったので感想noteを書いてたら、Amazon苦戦の理由についても書きたくなったので、歴史的経緯と苦戦の理由をみなさんに教えます。これは日本語のコンテンツの中では、かなり詳しいんじゃないかな。

そもそもいつ中国でAmazonはビジネススタート?

まずはAmazonがどうやって中国でのビジネスを始めたのかについてですが、突然ベゾスがやってきて「Amazon中国社を作ります」って始めたわけではありません。Amazon中国の前身は当時中国で最も大きかったECサイトの「卓越網」。

「卓越網」は1999年1月にスタートし、設立者の一人である初代社長は現在、Xiaomiの設立者兼社長の「雷軍」でした(こいつすごいやつなんでぜひ知ってください、せめてこのWiki見てくださいね)。このときは中国の最も大きいソフトウェア会社kingsoftと最も大きいハードウェア会社レノボ(当時の名はレジェンド)が主な投資者。書籍と音楽映像作品の販売を中心に行い、飛ぶ鳥を落とす勢いでした。

2000年代に入ってからも順調に成長していたところ、同様のビジネスを行っていたAmazonが「卓越網」に接近してきます。度重なる交渉の末、2004年の8月、7500万ドルで卓越を買収すると発表しAmazonは正式に中国市場に参入します。Amazonが世界でビジネスしてきた経験、「卓越網」が培ってきた中国市場におけるブランドと知識を融合させることで成功間違いないと考えられていました。しかし現実は甘くはありません。

中国でのビジネスはAmazonといえども簡単ではない

Amazonは中国でも自分たちのやり方を進めようとしましたが、中国は非常に特殊な環境なので、現地に適応しなければいけません。ルール、文化、みんなが好きなUIや色に至るまで、中国は欧米とは全く違う世界。海外から来た人が中国でいきなりビジネスするのはとても大変です、すごくわかりますね。

結果、翌年には「卓越網」の管理層が次々と退社します。正確な理由は公にはなってないようですが、その時に辞任した副総裁である「陳年」が「アメリカ人が全然中国人の言うこと聞かない。ここでは、自分が理解している中国市場でサービスを作ることが極めて難しい」と話しました。Amazonは組織体制がとってもstrictという話を聞きます、外国人がアメリカ流で上から目線で指示したら、そりゃ中国人と喧嘩になりますよ。ちなみにこの社風は今も大して変わりないそうです。

↑当時のロゴと今のロゴ持ってきました。サービスをAmazonに変えるだけで数年かかる始末。。

Amazonのライバルたちの台頭

ちょうどそのころ、北京の中関村という街でパソコン部品を販売してたJDがオンライン販売を開始します。また、タオバオも2003年5月にサービスを開始します。みなさんが知ってるタオバオのオンラインショッピングサービスは、アマゾンのような「自分で仕入れて自分で売る」直販型ではなく、基本的にはマーケットプレイス型。日本の楽天に近いです。なのでタオバオを他のECビジネスと一緒に考えてはいけません、またアリババはお店・流通など関わるもの全てを同時に成長させていくモデルを作っているのが秀逸で他とは違うんです。
当時、そのようなモデルは他のECサイトとビジネスモデルがあまりに異なっていたので、産業統計上はアリババはECサイトのジャンルではありませんでした。

その後時は過ぎ...
2008年、Amazonは中国のEC市場シェア率で過去最高(ピークでもある...)の15.4%を達成。当時の最も強力なライバルは「当当網」でした。まだタオバオとJDは成長途中。

この頃はけっこう良かったんですねぇ。ではその後に何があってAmazonの市場シェアは15.4%から0.7%に転落したのか、タイムラインで説明します。

中国勢の快進撃、戦国時代到来

2009年、中国が3G通信の商業サービスを開始し、モバイルインターネットが発展し始めます。また、この年にタオバオが初めて11月11日にオンライン買い物キャンペーン「双十一」を行いました(今ではたった一日で3.5兆円売り上げるとかいうクレイジーなあれです)。

2010年、タオバオがモバイル事業部を設立し、3Gの普及に合わせてスマホ向けアプリの向上に力を入れました。まだこのころアプリなんてしょぼいのばっかりだったので、先見の明があります。

2012年、中国ECサイトの天下統一を目指し、京东(JD)、国美(Gome)、苏宁(Suning)による熾烈な価格戦争が始まったのです、これは現代版三国志の世界ですよ、これだけでもめちゃめちゃおもしろいストーリーあります。JDは自分たちが持っていた87億元を、苏宁(Suning)は80億元の投資を受けそれらを使って、市場シェア獲得のプロモーション合戦が行われました。中国でネットショッピングユーザーが増えた大きな理由の1つですね。

内容や桁はちょっと違いますが、日本でも今PayPayやメルペイが同じような争いやってますね。中国では同様の戦いがタクシー乗車でもOnlinePayなどでも起きました。関係者の方々はこれらの戦いを勉強したほうが良いと思います、当然知ってるかな。(ちなみに中国の歴史を知ってる人ならLinePayと楽天が勝つと予想します、僕もです)

↑知乎,思亮拨千斤作成の表 この戦いのあとの利益の推移

そして、戦いの一番の勝者JDがECサービスのシェアを一気に拡大しました。一方Amazonはこの争いには参加しなかったんですね、お金をセーブできたって観点では良い判断だったのかもしれないですが、結果として大きくシェアを落とします

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