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中国の映画配信ルールとは?日本コンテンツは今後も頑張れるか

中国の映画マーケットは今や世界一です。中国市場を制するものは世界を制すといっても過言ではありません。

私は普段、調査の仕事(本業の方)で中国の映画興行収入を頻繁にチェックしてます。今日もいつものように先週末上映の映画の成績を確認しようと思ってサイトを覗いてみたら、思わぬ展開に驚かされました。

↑1位,3位,4位に「ゴジラ」「ドラえもん」「ピカチュウ」がランクイン

TOP5のうち3作品が日本のコンテンツというのもちょっと意外でしたが、最も驚いたのは、ゴジラ2(ゴジラキングオブモンスターズ)が4日間で4.9億元の興行収入。Youtubeとかでこの映画の広告見たときに「何これ誰がこんなの見るですか?(あくまで個人的意見)」と思ってたのですが、、けっこう人気なんですよね。ちなみに、前回のゴジラ作品の「GODZILLA 怪獣惑星」は日本より10か月遅れで上映した上に興行収入161.5万元の大コケでしたのでなおさら(・_・)

今日は現在中国で上映している日本映画、日本発の映画の上映状況を紹介したいと思います。

最近は日本映画きてます! in 中国

感覚的には、2015年までに中国で公開された日本映画はそれほど多くないです。年間1~2本程度で、全く上映しなかった年もありました。でも近年ではIP(intellectual property、知的財産)を使った映画を配信することのブームと韓国からの中国への文化制限に伴い、日本の映画がどんどん増えてきました。

昨年はジブリの「トトロ」を上映し、古いながらも(みんなどこかで一回は見てるでしょう笑)結構なヒットになり、今年は「千と千尋」まで上映するという全く予測できなかった事態になっています。

現在上映している日本系の映画とその興行収入を見てみましょう。一部公式訳名の分からない作品はIPの名前で略します。参考にちょこちょこ上位のハリウッド映画も入れます。

ゴジラ2ーー上映開始4日目ーー4.9億元(日本IPのアメリカ制作)
アラジンーー上映開始11日目ーー2.71億元(アメリカ)
ドラえもんーー上映開始3日目ーー9100万元(日本制作)
探偵ピカチューー上映開始25日目ーー6.17億元(日本IPのアメリカ制作)
A dog's purposeーー上映開始18日目ーー1.89億元(アメリカ)
しましまとらのしまじろうーー上映開始3日目ーー1522万元(日本IPの中国制作)
ドラゴンボール超 ブロリーーー上映開始11日目ーー3061万元(日本制作)
Dragon Force-Rise of Ultramanーー上映開始137日目ーー4301万元(日本IPの中国制作)
尺八・一声一世ーー上映開始4日目ーー62.9万元(中国制作の日本文化中心のドキュメンタリー映画)

すごく盛り上がってる感じ、頑張ってるよ日本!

中国の映画産業の成長とルール

近年の中国の映画産業は国の政策によって急成長していて、地方での映画館の建設や、配給チェーンの管理が大幅に改善されています。「艺恩咨询」のデータによると(中国のシネマ情報サイト)、2018年の全国の興行収入が600億元を突破し(前年比7.9%)、映画館数も10463に伸びてます。入場者数が17.17億人で平均料金が32.9元です。

また、中国で映画を上映する場合、許可制なので国家映画局から「龍標」という許可をもらえないと上映できないです。(この仕組みは日本も一緒ですかね)

↑中国で上映した映画にはみんなこれあります。

そして海外映画に関しては、「龍標」をもらって許可される枠の数は限られています。

中国での海外映画公開の方法(←ここが本題だよ)

原則的に、中国で配給できる海外映画は一年間に約64作だと言われてますが、実際に文化交流や何だかんだのプロジェクトだって理由を作って、中国で上映される海外映画の数は原則より大きく超えてます。(中国っぽい!)

原則というのは「中米によりWTO映画関連問題の解決をめぐる了解覚書」というものの存在によるもの。覚書には「分帳片」について記載があります。中国で取り扱われる海外映画には「分帳片」と「批片」というものが2種類存在し「分帳片」(レベニューシェア方式輸入)が34タイトル、また版権を買い切り方式で輸入する「批片」が約30タイトルだといわれてます。

興行収入の期待値の高いハリウッド映画作品のほとんどが「分帳片」枠で輸入され、日本映画は「批片」で輸入されるのが一般的です。また、輸入・配給できるのは「中国電影」と「華夏」2社に限定されてます。

そして、「分帳片」の枠は割当が厳しく制限されることが多いのですが、「批片」の枠は明確には公開されてません。30枠というのはあくまで一つの参考基準で、2009年までには枠が埋まらない年もありました。

日本映画の興行収入への期待はハリウッド映画ほどではないため、ほとんどの日本映画は「批片」の形で中国市場に輸入されてます。頑張ろう日本!

みんなが映画を見るまでの流れも変化した

中国の映画を観る流れは日本のとはちょっと違います。昔は日本と同じく映画館に行って窓口で購入するのが一般的でした。前売り券はないです。その後グルーポンが流行り始め、事前にグルーポンで購入して映画館で引き換える時期が来ました。(ちょっと安く観れる)

そして今はモバイルインターネットのオンライン決済が発達し、基本的にはみんな携帯でチケットを買ってから映画館に向かいます。使われるアプリも複数あり、僕が個人的によく利用するのはアリペイに内蔵している「淘票票」です。

↑こんな感じです。

映画のチケットだけではなく、ドリンクやポップコーンなどのお得なセットも販売してます。そしてエンディングロールのあとに彩蛋(サプライズの演出が有るか無いか)も教えてくれます。ちなみに、中国人は最後まで見る人は少ないです。エンディングロールが始まると掃除のおばさんが入ってきますんでとても居づらい笑

↑これは先週アラジンを見に行ったときの画面

友達と行きたい映画館、観たい上映と座りたい席、食べたいお菓子とかをWechatでやり取りして決めたあと、アプリで購入します。

映画館に行けばこのような発券の端末が置いてあります。日本も似てますよね

それぞれの運営社がありますがだいたいどれも利用可能で、大きい映画館だと10台以上置いてあります。

そしてバーコードをスキャンすればチケットがもらえます。

はい発券成功!

おかげで窓口は廃れてる、こんなに小さくなりました。

先週行ったとき窓口でチケットを買う人を久々に見かけました、もう絶滅危惧種です。日本はなんだかんだ今でもたくさんが窓口にも並んでますよね。

今年はなんといってもアベンジャーズが凄い人気でした、過去最高を記録しましたね。その模様をまとめてます、中国人と会話するならこの話題は必須です


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