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語学研修の所感

3年前の4月に入学してから2年半続いてきた大学生活の川から一旦上がってその流れから自由になって自分を省みた。知っている人がいない環境でゆっくり時間を使って生活したことで、裸になった自分をはじめて見た。

結果としては、未来に非常にポジティブになった。

人間関係

新しい友人

素晴らしい友人に出会った。これだけで今回参加した意味があったと思う。
芯があって、強くて、向上心がある。彼女のようになりたい。心から尊敬できる人に出会うのはいつぶり?

私は他人を認めるのが苦手だ。プライドが高いから。無意識にずっとこうやって気を張り詰めて生きてきた。
しかし、ここに来て憧れるべき友人が出来たのは、そういうプライドと人間関係から自由になったからだろうか。何者かになりたいと思い続けてきたけど、少し休憩しているような気になる。

プライドが高いことは断じて悪いことだと思っていない。むしろ自分の好きなところだ。プライドが高いから責任感があるし、自分の判断と心中できる。ただ、少し肩の力が抜けたことで見えるアングルが変わった。

私は一方で環境の影響を受けやすいところもある。尊敬できる友人から良い刺激をたくさん受けていたいし、自分も彼女に影響を与えられるようになりたい。

母親

恥ずかしながら、生まれて初めて「母親に恩返しがしたい」という思いになった。母親も私もクセのある性格をしているのでこれまでもうそれはそれは散々揉めてきたが、根底の信頼が崩れることはなかった。これは母の愛が大きかったからと分かった。なにひとつ無駄なことはなかった。

母親は全部わかっている。今回の語学研修で私が語学以外の面でも色々気づくというのは、母親はきっと見越していたのだろうなと思う。
早く一人前になって母親に還元したい。

戦争

新しい戦前

戦争は私たちが気づかないうちに、蛇のように足元から這い上がってくる。蛇に急所を嚙まれないようにするためには、足元で追い払わないといけないのに、あのときはコブラだったが、これはマムシだと言って意に介しない。その間にも蛇は身体を蝕む。

追体験をしなければいけない。歴史は「戦争」という結末を知っているから逆算して「事件」という具体例を出して安心する。でもそれは日常の中の「出来事」で、当時の人たちも私たちと同じように無関心だった。だから私たちはその静かに忍び寄る恐ろしさに無関心なままだ。
パールハーバーで太平洋戦争直前のアメリカについて学んだ。

一方で、ナショナリズム

「想像の共同体」を舐めていた。

パールハーバーでミズーリ号を見学した際、神風特攻隊の激突跡を見て言葉を失ってしまった。しばらく涙が止まらなかった。
パンチボウルという米軍の集団墓地を見学したところ、星条旗が供えられている墓があることに気づいた。

私はこれまで国家を想像の共同体だから取るに足りないと思ってきた。しかし、自分の中の"愛国心"の存在や、これが日本に限ったことじゃないと目の前に示されたことで、否定できなくなってしまった。
むしろ、安易に否定するのはその認識が正しいとか正しくないとか関係なく、戦死した者個人の大切なものを守りたいという思い自体を否定していることになり、その人の死の「価値」すらも否定しかねないのではないかと思ってしまった。

決して右翼的な主張を述べているわけではない。
国粋主義に傾倒しないバランスはどこにあるんだ。

「そらバーベンハイマ―とかやるよな」

パールハーバーでは真珠湾攻撃の様子を描いたポストカードが割引されていた。
アメリカ陸軍博物館ではベトナム領土の柄のTシャツが販売されていた。
アリゾナ記念館では観光客が笑顔で写真を撮っていた。

広島、長崎でするだろうか。

未来のこと

これが一番変わった。今まで未来が本当に面白くなさそうだったけど、本当に世の中が一気に面白く見えて、自分の人生に当事者意識を持つことが出来た。

日本をよくする

日本は素晴らしい国だと思う。健康的な食へのアクセスが良く、女性が夜中に一人で出歩いても安全で、人口がめちゃくちゃ多いわけではないのにGDPが高く、日本のパスポートは非常に信用度が高い。こんなに素晴らしい国に生まれてよかったとつくづく感じる。

ただ、日本が貧しくなっていってることも事実である。少子高齢化だの税金が高いだの女性が差別されるだの、今からどうやってポジティブに日本社会に向き合えっちゅうねん。厭世的な雰囲気は否定できない。

いままで私はこの厭世観を、逆張りで消化して誤魔化してきた。日本なんていてもしゃあない。もしくは、沈む船で最後までしがみつくんだ、とか。
いや、その前に、私もすべきことがあるんじゃないか?自分が生き残ることだけを考えるんじゃなくて、今の日本が少しでも良くなるように貢献することは責任なんじゃないかと気づいた。日本が良くなることは世界が良くなること。

日本が好きだ。でも、このままみんなが不幸な状態だとこの当たり前の素晴らしさも崩壊してしまう。それは嫌だ。不幸を減らすために私が出来る(やりたい)のはやっぱりジェンダーに関することだ。エネルギ―を持っているし、自分のエネルギーを信じている。

いま必要なこと

今まで頑張ったこと第一位:大学受験

これを交換留学準備で更新する。
自分を誤魔化すのは自信がないから。自信がないのは努力をしていないから。これは結果を求めるものじゃなくて(前提は崩さないけど)、自己満足と自信の問題。
周りに流されやすいことを自覚しているから杭を打つ。

就活

いわずもがな。自己実現したいよ。
やっぱり好きなことをやる上でお金は必要。で、普通におもしろそう。
これも後悔なくやり切ってみる。
キャリアを積んで社会を動かすのはとても楽しそうだ。


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