人狼ゲームで強くなるために。(上)
はじめに
どうも、こんばんは。オオツカ@人狼尋常会です。九州の隅っこで、ちいさな人狼会を毎月1回、かれこれ2年弱やっています。
ふと思い立って、「人狼ゲームで強くなるためにたいせつなこと」について、日頃から感じていることをいくつか書き留めてみることにしました。
人狼ゲームは議論と推理のゲームです。なので、きちんとした根拠に基づいたロジカルな思考を武器に戦うのが基本であることは間違いありません。確かな推理と考察で潜伏した人狼に辿り着き、議論の正しさで敵を圧倒できればそれに越したことはないでしょう。
けれども、
「何となくだけど、AさんとBさんならAさんのほうが信頼できそう」
「はっきりした理由は分からないが、Cさんは疑いにくい。あの人は村人のような気がする」
「Dさんに負けないくらい自分の真要素を挙げたのに、決選投票で自分が追放されてしまった」
ということも、実際にはとてもよくあります。
判断の材料に乏しいとき、他人の発言内容やゲームの状況だけでは判断が付かないとき、わたしたちは相手から受ける「印象」に基づいて、最終的にその人を信頼するかしないかを決めています。
そして、「はっきりした根拠はないけれども信じてよさそうな人」は、多くの場合、他人から信頼を得やすい話し方、話の聞き方をしています。発言の内容ではなく、発言の形式や話を聞く態度によって他人によい印象を与え、共感と信頼を得ていると言ってもいいでしょう。
ここでは、人狼ゲームにおいて他人の判断に影響を及ぼす「信頼を得やすい話し方、話の聞き方」について書いていきたいと思います。
お付き合いいただければ幸いです。
なお、これから書いていく事柄は、自由投票形式の対面人狼を想定しています。その他の形式の人狼ゲーム、特にネット人狼には当てはまらない部分が多いこと、お含みおきください。
1 人の話を聞くときには
誰かが話しているとき、相手の方を見ましょう。そして、相手の話に合わせて相槌を打つように適宜頷きながら聞きましょう。
相手がこちらを向いているとき、意識して目を合わせようとすることも大切です。相手の方を見るだけでなく、身体ごと相手の方を向く、軽く身を乗り出す姿勢を取る、なども併せて行うと更に有効でしょう。
これは、
「いま、私はあなたの話していることに意識を向けて、注意深く聞いている。私はあなたを尊重している」
というメッセージになります。相手は、自分の話を積極的に聞いてくれているあなたに共感や信頼感を覚えやすくなる、という効果が見込めます。また、相手は「あなたを信頼しない」という決断をする際、心理的負担を覚えやすくもなります。場合によっては、相手は無意識のうちにそのような決断を避けてくれるかもしれません。
大きなリスクなく、あなたの味方を作りやすくする行動です。
こうした聞き方をしていると、実際に相手の話に集中できるので、話の内容を理解したり整理したりしやすくなる、というメリットもあります。
2 聞かれたことには答える
相手からの質問には、「覚えていない」「明確な理由はない」「分からない」などの答えでもいいので、まずしっかりと返答しましょう。聞かれたことに答えようとしなければ、相手のあなたに対する印象は間違いなく悪くなります。
ここで言う「聞かれたことに答えない」とは、「質問に対して質問で返す」「質問自体が有効でないと主張する」などのことです。たとえば、
Aさん「あなたは昨日の決選投票でBさんに票を入れています。その理由を教えてください」
あなた(1)「そんな質問をしてくるということは、Aさんは私を怪しんでいるんだと思いますが、それならばやはりBさんに投票していたCさんに同じ質問をしないのはなぜですか?」
あなた(2)「現在の状況では、その質問に意味があるとは思えません。Aさんは有効でない議論で時間の浪費を狙う人狼ではないかと疑います」
(1)(2)の両方とも、Aさんからの質問に対する答えになっていません。Aさんは、質問に正面から答えようとしないあなたに対して敵対心や不信感を抱く可能性が高い、と言えます。周囲の他プレイヤーからも「質問に答えようとしないのは、答えたくない理由があるのではないか?」と疑われ、あなたが信頼を失うという結果に繋がることも十分考えられます。
質問されたときは、まずきちんと答える。その上で、主張したいことや反論を述べる。信頼を得るために必要な手順です。
3 誰に向けて、どのように話すのか
特定の誰かに話しかけたい時は、その相手の方を見ましょう。身体を相手に向け、両腕を相手に開き(手を組んだまま話すと、どうしても「防御的でオープンでない」という印象を相手に持たれてしまいます)、たまに目を合わせることも意識しましょう。そして、場の全員に向かって発言する際は、全体を見渡しながら、時に1人ずつの方向を見て、やはり時折目を合わせてみましょう。
こうすることで、
「私には、あなたに伝えたいことがある。あなたは私にとって重要なので、ぜひとも理解してほしいことがある」
という明確なメッセージを相手に送ることができます。このようなメッセージを受け取ると、相手はあなたと自分との心理的な距離の近さを大なり小なり感じるようになります。相手は、あなたの主張を受け入れやすくなり、あなたを否定することに対して抵抗感を覚えるようになるでしょう。
また、こちらを見ようとしていない相手に対しても、同じようにするとよいでしょう。他プレイヤーに対して、「あの人は、他人の話に耳を傾けようとしていない」という印象を植え付け、相対的にあなたの誠実さをアピールすることができます。
ただし、場合によっては天井を仰ぎながら話したり、落ち着きなく視線をさまよわせながら話すなど、意図的に誰にも言葉が向かっていかない話し方をすることが有効になるケースもあるでしょう(「真剣に悩んでいる自分」を演出したいとき、などです)。
4 話すときの順序
発言をするときは、
「結論(あるいは、最も伝えたいこと)→理由や根拠→結論」
の順番にすると言いたいことが分かりやすく、伝わりやすくなります。
また、このような話し方をすることで、「喋っている途中に自分の言いたかったことが分からなくなってしまう」「発言の最初と最後で言っていることが違う」というようなことが起こりにくくなります。
分かりやすさや発言の一貫性は、他人から信頼を得るために非常に重要な要素です。
基本的なようでいて、意識していなければ意外と難しいことでもあります。特に、発言時間に制限があることの多い投票時のコメントや、決選投票時の弁明ではこのような話し方を強く心がけるとよいでしょう。
5 話していない人の話を聞く
話をしていない人、話をしようとしているけれどもタイミングを見つけられないでいる人を見つけたら、積極的に声を掛けて発言してもらうようにしましょう。
他プレイヤーが議論に熱中している中で、喋れていない人に対して
「私は、あなたの話を聞きたい」
と伝えることは、「あなたのことを重視し、尊重している」というメッセージになります。相手のあなたに対する印象は確実に良くなりますし、相手はあなたの発言や主張を受け入れやすくなるでしょう。
このような行動は、あなたが視野を広く持ち、誠実に議論を進める姿勢を持っていることを場の全員にアピールする機会にもなります。
喋らない人は追放の対象になってしまいがちです。寡黙でいることを許容していると、潜伏している人狼にとって有利なので当然ではありますが、限られた議論時間の中で話せなかった人がいる、ということ自体、「その日の議論の進め方が上手くいかなかった」ということでもあります。話していない人が重要な視点を持っていて、それによって議論が大きく動いたかもしれないからです。
できるだけ多くの情報を得て投票に移るためにも、話していない人に対して積極的に発言を求めるようにしましょう。
(中)に続きます。
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