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発売から約3ヶ月、STU48 8thSg「花は誰のもの?」に想う [2022年制作記事]

この記事は、2022年4月13日に『random note about STU48 8thSg「花は誰のもの?」』の表題でアメブロに投稿し、同年7月2日に加筆修正した記事を転載したものです。


リリース日当日のLINE LIVE配信より

2022年4月13日、STU48の8枚目となるシングル「花は誰のもの?」が発売された。

この日20時からはLINE LIVEでリリイベ的な配信があり、選抜メンバーによるパフォーマンスも初披露となった。

そしてオリコンデイリー2位。1位はキンプリさん。
さすがに勝てる気はしないから、まあそれも結果ということで。


瀬戸内から届ける自由と平和を願う歌

今作のドラマミュージックビデオ「光は君に、あの日々に。」の予告編が公開されて、僕はSTUが本気だとひしひしと感じた。

それはおそらく、大多数のヲタクがそう思ったことと思う。


30分ほどのショートムービーとはいえ、本格的なロケを瀬戸内・山口県で行い、COVID-19パンデミックに当たり前の青春を奪われてしまった高校生たちの物語という、今のこの世界(特に年齢の近い若い人たち)が直面した苦悩と葛藤を描いた力作だった。


▼ロケ地巡りの記事はこちら


そして、ドラマミュージックビデオという試みに取り組んだこともそうだけど、何よりこの楽曲の持つ強いメッセージ性は特筆すべきことと思う。

6月17日に音楽番組に出演した作詞の秋元康さんは、今年始まったウクライナ・ロシア紛争を受けて詞を書いていて、「こういうアイドルの歌を楽しくカラオケで歌っていた時に、ふと“この1行って深いな”と思った人が調べてみようとか、入り口になったらいいと思う」とも話していた。


▼参考ニュース


そしてその歌詞の世界観を受け止める、誰もが口ずさめる秀逸な優しいメロディ。

作曲を担った元チェッカーズの鶴久政治さんも、ご自身のツイッターなどで何度も告知などをしていただいていたし、ニュースなどに取り上げられるとその都度ピックアップしてくれていた。


自身が生み出した曲ならもちろん愛着はあるだろうけど、かなり力強いプッシュをいただいていることに感謝しかない。

(ついでに矢久保ちゃんにも感謝…)


自由と平和、これほど普遍的で最も追及されるべき人類的価値は無い。

反面、そういった歌を歌う以上、どうしても政治的な要素だったり、思想的要素だったりと、負のイメージがつくリスクもある。


しかしSTU48というアイドル、しかも被爆地・広島を拠点にしているアイドルが、ただ祈りを込めて歌い上げる。

そこには、ただ純粋な想いだけが優しいメロディに乗せられて伝播していく。


そうやって、この曲は詞も曲も、老若男女の「万人の琴線」に響いていく。


久しぶりに「売れてほしい」と思った

AKB48系のグループとしては、現状を正しく認識するならば、決して上り調子とは言えない状況下にある。

しかしながら、STUは常に挑戦を繰り返してきた。船上劇場はその最たるものだろう。


"To change is a challenge."

変わることは挑戦だ、とSTUは言う。その通りだと思う。

STUはSTUらしさを保ちながら、常に変化を重ねてきた。だからこそ今も瑞々しい。


そして今回「花は誰のもの?」のリリースを迎えた。


正直なことを言うと、僕の中では「AKBグループ」というある程度の知名度があるだけで、STU自体はそこまでがっつり売れなくていいかなとか思っていた。

現状に甘んじてるに近いのかもしれないけど、今ぐらいの規模感が心地いいと感じていた。


石田千穂さんが推しメンだった最初の1年半ぐらいは、AKBグループ総選挙などもあり、埋もれてほしくないから売れてほしいと思っていた。

そして実際自分でも珍しく投票行動をがっつりした2018年、彼女は総選挙99位となり、そこからは一気にSTUの主要メンバーへと成長していった。

僕はそれを嬉しく思うこともあったし、もういいかなと思うこともあった。ヲタクは実に勝手だ。


それでも、COVID-19が蔓延し色々なことが変化したけど、STUを好きでいることは4年数か月経った今も変わっていない。

そんな時、この本気のシングルを投げ込まれた。そこに何も感じないわけがない。


これまでも良い楽曲に恵まれてきたけど、今作は相当に世間に評価されるべきだと思った。

ドラマMVは、もっと多くの人に視聴してほしいと思った。

そしてSTUがもっとメディアに出て、この曲が広まってほしいと思った。

だからじゃないけど、僕も力を入れてロケ地巡りにすぐ行ったし、すぐ記事を書いた。


色々いう事はあるけど、やっぱりSTUが好きなんだな…と思ったのが今作にまつわる第一のこと。


本当に広がりだした「花誰」

2022年5月。5周年コンサートはグループ内でのCOVID-19感染発生により延期された。

STUを以前から知る人なら、「またか…」と思ったことと思う。


1stSg「暗闇」の発売延期、船上劇場の延期、西日本豪雨災害、2ndSg「風を待つ」の発売延期、COVID-19、3周年コンサート中止、STU48号の早すぎる終焉…。とにかくSTUには逆境が多すぎた。

そこに5周年コンサートの延期が加わった。


しかしながら、「逆境に強いのがSTU」と、自らが自らを鼓舞するかのようにすぐに立ち上がった様子に、僕も心を動かされた。

そうだ、今までだって逆境を跳ね返してきたじゃないか。


僕も4年間曲がりなりにも彼女たちを見てきて、こんなところで挫けるグループじゃない、もっとやれると思った。


そして先ほどのスポニチの記事をご覧いただければ分かる通り、本当にじわじわと「花は誰のもの?」が浸透してきて、世間を少しばかり賑わわせてきていた。

▼もうひとつ別のニュース@スポニチアネックス


嬉しい、単純に嬉しい。

Twitterでも、まったくSTUのことを呟いたことが無かったヲタ友でさえ、「この曲はいい」と呟いていた。今までにないことだった。


日向坂46のファンが偶然SHOWROOMで流れてきた効果もあるそうで、それをがっちりと捉えた瀧野由美子さんのスキルにも頭が下がる。

STUも日向坂も好きな自分としては、してやったりといった感じだった。

(というか元々欅経由でひらがなけやき結構通ってたので…)


別に流れなくてもいい。両方好きでいるだけで構わない。


これは自慢というかおっさんの戯言なんだけど、2003年の春、僕は森山直太朗の「さくら(独唱)」のシングルCDを、発売してすぐ購入していた。
(しかも何故か愛知から京都に旅行に行っているときに)

ラジオだったかテレビだったか忘れたけど、少し聴いただけでこの曲に惚れ込んでいた。


そしてその後じわじわと売り上げを伸ばし、今のような国民的春うたにまで育った。
僕はそういうじわじわと人気を得て売れていく流れがすごく好きだし、そうやって初期に「見つけた」ことを今でも僕は嬉しく思ったりする。


STUの「花は誰のもの?」も、そうやって売れてくれるといいなと思っていた。

そしてそれが、少しずつ現実味を帯びてきた。


8月には、NHKの番組「れいわのへいわソング」に出演する。
そこから更に、この曲が知れ渡るといいなと思う。

今年の紅白出場も夢じゃないかもしれない。
僕は最近本気でそう思えるようになってきた。


東京に行かなくても、大阪に行かなくても、瀬戸内でできることはある

僕はガガガSPという青春パンク(死語)バンドが大学生の頃からずっと好きで、今もたまにライブに行く。

(というかついこの前、6月29日に3年ぶりにライブ行ってきた。「神戸駅」のイントロで涙腺崩壊してました…)

彼らは神戸からメジャーデビューして、ソニーと契約し、そしてインディーズに戻ったという経緯がある。そして今も神戸に居る。


いつのライブだったか映像作品だったか忘れたけど、そのガガガSPのボーカル・コザック前田さんのMCで忘れられない言葉がある。


「東京に行かなくても、大阪に行かなくても、神戸できることはあるということです」


東京にはエンタメの全てがあるし、売れるためにみんな上京する。

僕も東京でライブアイドルにハマった。

でも、結局それってみんな同じことしてるだけじゃないの、と思う。

one of themでしかないのだ。


地方からでも、地方だからこそ、できることがある。

そして今はそれを発信することもかなり容易な時代になった。

今作のドラマMVは、それを体現した結果の一つだったんじゃないかと思う。


STU48だけじゃなく瀬戸内という地域も好きになった僕にとっては、STUが瀬戸内地方と共にあってくれるからこそ今も好きでい続けられる。

そこにSTUらしさも含まれているんじゃないかな。


もちろん苦難の道だろうし、問題がないわけじゃない。

これは僕の勝手な願いだけど、疲弊して廃れていくばかりの日本の魅力的な地方を盛り上げる起爆剤になってほしいと願わずにはいられない。


とりとめのない散文のおわりに

今回の8枚目シングル「花は誰のもの?」、僕自身本当に好きな作品となった。

今もこれからも、STUは推すべきグループだと思っている。


去年、STU48号が退役したときはモチベーションもかなり落ちた。

でも、それでも今こうしてSTUを追いかけている日々が、自分に活力を貰っている。


これからのことは分からないけど、僕は瀬戸内に通い続けたいし、もうすぐ開催される5周年ライブ(の振替)を楽しみにしている。


「変わることは、挑戦だ。」


変わっていくSTUを、そして推しメンこと原田清花さんを、変わらずに見続けたいと思う。


(了)

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