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【5類に移るコロナと日本人】

ようやく一区切りつきそうなニュースが、年初の日本を明るくさせました。
2020年初頭から、生活様式を大きくかえてしまった新型コロナウイルスの、感染症法上の位置付けを、インフルエンザ等と同じ位置付けの5類相当へ引き下げることが発表されました。

行動制限やマスク着用など、さまざまな制限がありましたが、5類へ引き下げ以降、元通りの生活が戻ってくるのか不透明なところもあります。
 
これまでのマスク生活は、口内衛生に悪影響をもたらしたとも言われます。
マスクをすることで、無意識に口呼吸になってしまう例が増えていると言います。口呼吸により口の中は乾燥し唾液が少なくなります。
唾液には食事によって酸性になった口の中を中性に戻す緩衝能という作用があります。これによって歯が溶けて虫歯になるのを防いでいます。
つまり口呼吸をしていると、虫歯になり易くなってしまう可能性があるというのです。
唾液によって汚れを洗い流す作用も低下して歯茎に悪影響を与えるので歯周病にもなり易くなるとも言われています。
 これらは一人の衛生士から聞いた話ですが、歯は一生ものとよくいうもので、やはり正しく健康的な歯を守っていきたいものです。
 

さて、そんなマスク生活にも終止符が打たれようとしていますが、まだまだ手放しで喜べなそうです。

 
5類感染症になると、自治体や保健所が入院調整を行う法的根拠がなくなることから、入院や診療を自己責任で行わなくてはいけない上、これまで国の補助がありましたが、全て自費になります。
一方逼迫していた保健所の業務が軽減され、これまで犠牲になっていた他の保健所業務への対応が手厚くなるでしょう。
病院にとっても、新型コロナ患者用の病床がなくなることで、本来の診療に注力することができるようになります。
他方で、医療機関は、政府からの補助金が給付されていましたが、5類になり、これがなくなれば積極的に新型コロナ患者の診療を行う医療機関は減る可能性があります。
 

この新型コロナによって、医療機関に大きな打撃を与えたことは皆様も痛感していると思います。もちろん私たちの下にもクリニック経営に対する様々なご相談があり、例年以上に事業譲渡、事業の選択と集中、資金繰りのご相談が増えたことは事実です。 

しかし、いつまでも「未知の病気」と済ましているのではなく、進展があったことは経済、生活にとっては前向きなことですので、これまで通り、手洗いうがいといった、基本的な感染予防をして、自分の身は自分で守るようになればいいと思います。インフルエンザや風邪でさえ、基本的な予防をしていればか罹患する確率は下がるわけですから。 

口内衛生に話を戻すと、マスク着用がいくら「自身の判断で」となったとしても、真面目な日本の文化ではそう簡単に、マスクなしの生活にはならないと思います。
 まさにバンドワゴン効果です。バンドワゴン効果とは簡単に言うと、周りの流行や評判によって、自分の意思決定の材料にするという心理学用語で、もっと簡単にすると「みんながそうしているから」という、同調圧力のようなものです。 

公共交通機関、飲食店、さまざまなところで、「まだマスクをしている人がいる」「人と違う行動をしてはいけない」と思う場面があります。 

マスクが口内衛生に与える影響を冒頭で記したように、特に子供を中心に口内環境の悪化を防ぐために、必要最低限のマスクと、習慣的な口内衛生の維持をしていくべきだと思わされました。 

特に多感な時期を、未知のウイルスによって、多くの制限の下過ごしてきた子供達には、精神的にも大きな蓋をしてしまった数年間です。5類に移行することで、1日でも早く、明るく自由な生活ができることを願っています。