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鋼の訓練を乗り越えて、変わりゆく世の中に対応する。

本日も発達障害者と就労移行支援に関することでひとつ。

「生活リズムが不安定で遅刻がちな子」出身だと、特に大変なのが、会社に遅刻せずに行けるように訓練することです。
多くの就労移行支援事業所では、訓練の成果として「出勤率」を指標にしています。
なので面接のアピールで「出勤率」を伝えてくれる方もいます。

こうした鋼の訓練(!?)で、遅刻せず、欠勤せずに出社することを是とした労働者が生まれるのですが、想像をはるかに超えたスピードで日本が「出勤は出勤で危ないよね」という方向に向かっております。

首都圏では、台風の翌日の出勤といった、混乱・混雑・運転見合わせが想定される日が年に何度かあります。
中には前泊してでも出勤しないと世の中が止まってしまう仕事をされる方もいます。
一方で私のように、その日に「すし詰めの電車をさらに詰め込む一員となり、かつ、押し潰されて怪我や体調不良になるリスクを乗り越えてでも出社する必要はない」と言う人もいます。

そう言われた人たちは出社が是ではないわけです。本当に会社に行かないと行けない人たちに道を譲るべきです。

来年2020年にはオリンピックで宅配便の再配達をするなとお達しが出るくらいなので、さらなる通勤抑制が必要なことでしょう。
また、リモート接続技術の発展も背景に、環境的にも風土的にも、この1〜2年で、テレワークと出勤の使い分けがさらに加速することでしょう。

そのとき、出社することが正義であるという鋼の訓練を受けてきた方に、いかに「頑張って出社した=エライね」の方程式を上書きさせるかが、企業担当者には求められることでしょう。

就労移行支援事業所が間違っているわけではなく、生活を安定させることはもちろん大事で、その上で社会は色々な判断があるよ、と追加することであると、蛇足しておきます。


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