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ジュニアユースで出会って10年、「腐れ縁」の2人が決断した大きな挑戦。

西湘地域出身、そして下部組織出身の選手として、地域からの注目や周囲の期待を大いに背負って戦ってきた上原拓也と佐藤玲惟は今シーズン、湘南ベルマーレに所属しながらFリーグ選抜でプレーするという大きな決断をした。

発表があったのは4月12日。

【上原選手コメント】
『今シーズン、Fリーグ選抜でプレーする事になりました。今回こういったチャンスを与えてくれ、快く送り出してくれるチーム関係者の皆様に感謝致します。自分自身、今までなかなか出場機会に恵まれず、チームの勝利に貢献出来なくて悔しい思いをしてきました。ベルマーレにはフィウーザという素晴らしいゴレイロがいて、彼からスタメンを奪うというのはもちろん、彼から学ぶ、色々な技術を盗む、という気持ちでやってきました。学ぶ事も大切ですが、自分のレベルアップの為には試合に出場しなくては行けないと感じていました。今回のこの選択が正しかったと証明できるように、全身全霊でチャンスを掴み取りに行ってきます。一旦チームは離れますが、少し気にかけてくれると嬉しいです!成長してまたこのチームに戻ってこれるように頑張ります。』
【佐藤選手コメント】
『発表がありました通り、今シーズンはFリーグ選抜のメンバーとして戦わせていただくことになりました。たくさん悩みましたが、フットサル選手として、また一人の人間としてレベルアップするためにこの決断をしました。
ベルマーレで過ごした2年半は、チームとしては過去に比べ順位も上がり、結果を出せてきていたと思います。しかし、自分自身はプレーや結果では応援してくださる皆さんに恩返しが出来ていなく、悔しい想いがすごく大きいです。Fリーグ選抜で成長し、プレーや結果で恩返しが出来る選手になってきたいと思っています。正直、大好きなベルマーレを離れるのも、温かいベルマーレファミリーの皆さんと離れるのも寂しいです。ですが、強くなるために行ってきます!』

2人はこのように心境を綴り、SNSでもこう続けた。

出発2日前の不安と期待が入り混じる中、1年という限られた時間の挑戦に懸ける思いを2人に聞いた。

―まず、フットサルを始めたきっかけを教えてください。

【拓也】初めて(フットサルを)やったのは小学3年生の頃です。きっかけは友達に誘われたことでした。小学校から中学校までP.S.T.C. LONDRINA(以下、ロンドリーナ)でフットサルを続けて、高校はサッカーの道へ進みました。その後、高校卒業を迎えるにあたって、実は消防士になろうと思っていて、その準備を進めていたのですが、阿久津テクニカルダイレクターにフットサルをやってみないかと話をもらいました。正直、高校時代が完全燃焼ではなかった部分もあって、物足りなかったところを埋めたいというのもあって、もう1度フットサルをやりたいなという気持ちが芽生えて、始めました。

【玲惟】中学からロンドリーナに入って、ロンドリーナのジュニアユースはフットサルもサッカーも両方やっていたので、フットサルを始めたのはそこからです。今もあんまり変わらないですが、当時からテクニック系の選手ではなく、実は週に1回のフットサルはあんまり好きではなくて、、、。サッカーの方をメインでやりたくて、高校はサッカーを選択しました。高校を卒業してからも、大学に入ってサッカーの道に進みました。ベルマーレ(Fリーグ)の試合はずっと小田原アリーナに観戦に行っていて、そこで、コウト(植松晃都)や、タクヤが出ているのを見て、しかも小田原アリーナでたくさんの観客の中でプレーしているのを見て、自分もここでやりたいなと思うようになりました。ただ、大学では体育教師を目指して教職の単位も取っていたのでなかなか踏み出せなかったのですが、大学1年の終わりに阿久津テクニカルダイレクターと話をして、決意を固めてロンドリーナ(サテライト)に入りました。

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―2人の出会いはロンドリーナのジュニアユースということですね。

【拓也】はい、中学1年生の時ですね。ちょうど10年前です!そこから大学1年の時を除いてずっと一緒にプレーしています。あと何年同じチームが続くんだろうっていう(笑)
【玲惟】今回、F選抜も一緒に行くことになって(笑)
(腐れ縁ですね!)
【拓也・玲惟】そうですね!
※2人はF選抜の寮も同部屋だそうです!

―ずっと一緒にやってきた若手選手たちとFリーグの舞台で戦うことになりますね。

【拓也】もちろんずっとやってきた仲間ではありますけど、倒しにいかないと、そのくらいの気持ちでやらないと失礼だと思うので、若手選手に限らず他のメンバーもとにかく倒したいという気持ちはありますし、仲間だという気持ちは1回捨てて戦いたいと思っています。

【玲惟】やってきた仲間だから、あっちも遠慮なくガツガツくると思うのでそれを上回るくらいの気持ちでガツガツいきます。

(1歳下の植松晃都はどういう存在?)
【玲惟】なんだかんだかわいいです(笑)
【拓也】なんだかんだで人懐っこいんで、スカしてるけど、そういう一面もあるんだって感じでかわいいですね(笑)

(初めて敵として戦うんじゃないですか?)
【拓也】そうですね!
【玲惟】敵に回すのはやっかいな相手ですね。
【拓也】広大は高校の時に1回戦ったことがあるね!
【玲惟】馬入でやったね!

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―初めてというと、2人は地元を離れるのも初めてだと思いますが、今の率直な心境は?

【拓也】離れる1年間はいろいろ挑戦できる時間だと思っています。来年戻ってこれるか分からないですが、地元を盛り上げるという意味も含めてこれはチャンスだなと思いますし、この1年でどれだけ頑張れるかが、戻ってきた時にベルマーレを盛り上げられるか、ベルマーレが盛り上がるということが地域が盛り上がることにつながってくると思うので、自分のため、地域のためにしっかり成長したいと思っています。

【玲惟】住み慣れ、親しんだ小田原を離れるのは寂しいのですが、F選抜の拠点である名古屋に行っても小田原市出身のFリーガーということには変わりません。この2年間、プレーで小田原を盛り上げるというのは出来ていなかったと思っているので、F選抜で活躍して、その活躍が小田原でも取り上げられるくらいになってやろうと思っています。

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―いきなり第3節で湘南ベルマーレ戦となりました。

【玲惟】まさかこんなに早く当たるとは思っていませんでしたが、やるからには1発目からガツンといきます。きっとたくさんの方が観にきてくれると思うので、湘南サポーターを相手に回すのはイヤですね、、、。ただ、ベルマーレのホームで(相手として)勝つというのは体験したことないですが、きっと気持ちいいのかなと。シーズン開幕直後なので違いが見せられるかは、正直分からないですが、少しでも成長した姿を見せたいと思っています。

【拓也】第3節でいきなり湘南ホームで当たるので、玲惟も言ったとおり、成長した姿を見せられるかは分からないですが、僕も玲惟もなかなか湘南で結果を出せなくて悔しい思いをして、こういう決断に至ったので、「俺たちはもっと出来るんだ」というところを見せたいなと思ってます。勝てれば自分たちの自信になると思いますし、勝つ気持ちで戦っていくというのはもちろんです。あとは湘南サポーターの声援を初めて敵として受ける戦いなので、どんな威圧感なのかなというのはすごく楽しみです。その中で勝てたら気持ちいいだろうし、すごく色々な気持ちがあるのですが、とにかく戦う気持ちを見せたいなと思います。

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―湘南ベルマーレサポーターの皆さんへ

【拓也】この1年間で成長してやろうという気持ちはすごくあるので、そういうところを見てもらいたいですし、いつかベルマーレを日本一にしたいという目標があるので、そのための1年間として、やれることは全部やって、来年戻ってきてまたベルマーレの力になりたいと思いますので、応援よろしくお願いします!

【玲惟】湘南ベルマーレという看板を背負って行くのだと思っているので、それに恥じないプレーをして全力で戦っていきます。僕たちが活躍をすれば皆さんにも気にかけてもらえると思っているので、変わらず常に全力で戦っていきます。ベルマーレの温かく、熱いサポーターの皆さんを敵に回すのは本当にイヤなのですが、湘南 対 F選抜の3試合以外の残り30試合は僕とタクヤを応援してください!

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ジュニアユース、向上高校と同じチームを歩み、一旦は違う道を進んだ2人だったが、フットサルという世界で再び一緒に上を目指すことになった。自他ともに認める「腐れ縁」の2人は、今後どんなストーリーを歩んでいくのか。彼らの歩幅が広がるほど、ベルマーレの躍進は進むのだろう。

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湘南ベルマーレの選手にとっても2人との初対戦となる試合は6月8日第3節。注目の一戦だ。

Fリーグ 2019/2020 第3節 Fリーグ選抜戦
【日時】6月8日(土)14時キックオフ
【会場】秋葉台体育館

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