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リユースモバイル・ジャパンが作った中古スマホの格付けってどういうものなの?

WBSや日経新聞などでも取り上げられ、ご存知の方も多いとおもいますが、先日リユースモバイル・ジャパン(以下、RMJ)という業界団体がガイドラインを提示しました。

ここでは、中古スマホをS, A, B, C, Jというランク付けをして販売することで、よりお客さまへの齟齬がない、不安を取り除くといった目的で作られています。

そもそもRMJって何?

設立背景には以下のことが書いてあります。(RMJのHPから抜粋)

総務省による「携帯電話料金その他の提供条件に関するタスクフォース」の開催や公正取引委員会による「携帯電話市場における競争政策上の課題について」の発表が行われ、家計における携帯電話料金などの負担軽減を目的とした(1)ライトユーザー、長期契約者向けの料金負担軽減(2)行き過ぎた端末販売の適正化(3)MVNOのサービス多様化など、携帯電話市場は大きく動き出しています。
そうした中、リユースモバイル通信端末(中古の携帯電話やスマートフォン等)は、消費者により低廉な負担で通信サービスをご利用いただける手段として、大きな注目を集めています。しかしながら、「行政との意見交換の受け皿である業界団体の不在」、「赤ロムの問題」「個人情報のデータ消去の課題」など業界としての課題も顕在化しています。
そのような状況を鑑みて、リユースモバイル通信端末を取り扱う事業者8社が発起人企業となり、RMJを設立する運びとなりました。

つまりは、もっと中古スマホを流通させようよ!って言う動きでして、そのためにどういったことができるか考えている団体なわけですね。

実際どんなことをやろうとしているの?

以下のページによくまとまってます。

(引用「モバイル市場の競争環境に関する研究会」から抜粋)

3つ大きくあって、

1,ランク付けの統一化

2,個人情報消去

3,トレーサビリティ

という3つを軸に、最初に言及したガイドラインが制定されているわけですね。

このガイドライン、これからみんな守らないといけないの?

RMJに賛同している正会員は現在12社(2019年3月時点)です。あくまで業界団体ですし、しかもこの12社以外にも中古スマホを売っている業者は沢山あるので、全員が守る必要があるわけではありません。

ガイドライン適用範囲もこのように定めていますが、適用法令があるわけでもないですし、あくまで業界的にこういうルールつくろうとおもっているよー!というレベルですね。

(引用「モバイル市場の競争環境に関する研究会」から抜粋)

上のスライドにもありますが、実は中古スマホを多く取り扱っているのはMNO(通信キャリア)と一緒にやっている仲介業者だったり、修理業者だったりするので、彼らに対抗するために頑張ってメディアに出て、世論を作ろうという動きだとみてます。

そもそも、”業界標準”のランク付けって本当に消費者が求めていることなの?

実は中古のような2次流通の世界って、ランク付けをされている業界ってほとんど無いです。代表的なものは車。基本的には年式数と走った距離で値付けされていますし、外装の状態ってあまり価格に影響を与えないです。

中古スマホが持たれている印象って、端末自体への不安とかが大きいのかなと感じています。

(引用:MMD研究所「2018年中古端末に関する意識調査」)

個人情報データの消去はもちろん大切です。RMJにも賛助会員にBlannco社もあります。Blanncoに限らずこの業界には世界中をみるとたくさん企業があって、基本的に枯れた一般的な技術ですので、データ消去はしっかりした小売業者であればちゃんと消されているでしょう。

ただ、外装の評価って結局評価する側も買う側も意識は一致していなくて、買う前の評価基準より、買った後のことのほうがよっぽど議論すべきなのではないかな?とは思っています。

キャリアの競争優位性の源泉って、必ずしも端末が安い!ってだけじゃないと思います。MVNOは安いけど、何で諸外国に比べて思った以上にシェアが伸びないのか?と振り返った時、安さは絶対基準になり得ないですし、むしろモバイルライフをしっかり提供できることのほうが重要ではないかなと感じる次第です。

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