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バリアフリーの旅を創る

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旅は最高の心のリハビリ。障害の有無や年齢に関係なく、誰もが気軽に旅に行ける社会環境を作ろうと、1999年に日本で初めてバリアフリー旅行会社を設立した著者が、旅のノウハウや考え方、… もっと読む
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前座大歓迎

前座大歓迎

札幌で大変お世話になっている共創チームメンバーの方から声をかけていただき、朝から講演の仕事でした。

私を主催者さまと繋いでくださったのは札幌で保険のお仕事をされているTさん。私と初めて出会ったのが2008年7月1日だったと、紹介のところで話でくださいました。

明確に覚えていらっしゃるのは、札幌時計台講演会という、記念すべき講演だったからでしょう。ちなみに私は札幌時計台講演は覚えていますが、具体

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コロナを過剰に恐れるあまり、 もっと大切なものを失っているのではないかと思えて仕方ありません。

コロナを過剰に恐れるあまり、 もっと大切なものを失っているのではないかと思えて仕方ありません。

コロナ禍ですっかり外に出なくなった方も多いのではありませんか。

マンボウが発令されて、テレビやラジオ、新聞は今日もオミクロン。過去最大の感染者と連呼されたら、さすがに心が萎縮してしまいます。

先日の旅行でも、飛行機はガラガラ。聴くと団体枠(修学旅行やツアー)が大量にキャンセルになっているとのこと。

ホテルにも人の気配は少なく、観光列車も人数制限をしているようでした。

コロナが風邪とまでは言

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お医者さんも旅をしています

お医者さんも旅をしています

旅の自粛と不謹慎。

オミクロン株なる言葉を一日に何十回と聴きます。あまりに気分が悪くなりテレビを消し、新聞も読まなくなりました。芸人バリの医者があちこちのテレビ局を渡り歩き、興奮気味に、なんだか嬉しそうに「最大級の警戒を」と煽る中で、現場のお医者さんたちは何を思うのでしょう。

私のところにあるお医者さんからSNSでメッセージが届きました。

「旅に出ています」

見ると、ご家族と一緒に海を散歩

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ご命日とお線香

ご命日とお線香

ベルテンポを創業して21年になります。

創設期の頃から20年近くに渡り、旅をご一緒させて頂いている方もいますが、鬼籍に入られる方も、残念ですがいらっしゃいます。

会社を始めたばかりの頃は、右も左も分からない状態で試行錯誤の繰り返しでした。そんな時、いつもお客様が助けてくれました。

「家族が安心して送り出せる会社になってね」
「財布を預けて細かいことを気にしなくても楽しめる旅がいいわ」
「ある

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チケットレスの時代だけど。

チケットレスの時代だけど。

便利な世の中になりました。

スマホがチケット替わり、
財布替わりになり、
現金を使うことが減りました。

とは言え、旅の気分を盛り上げるには
切符が必要です。

写真は津軽鉄道の窓口で購入した乗車券。
この切符で旅をしたいから、金木駅から乗りました。

切符を手にしたとき、
懐かしさが込み上げて来ました。

昭和の終わりはまだ硬券と言われる
硬い切符が普通にありました。

小田急ロマンスカーの特

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旅行代理店がなくなる日

旅行代理店がなくなる日

※この記事は2019年6月に私のブログにアップしたものです。
新型コロナの後、更に「旅行代理店不要論」は加速するとみています。
加筆して、noteで再掲いたします。、

明治38年滋賀県草津駅で駅弁販売をしていた
創業者の南新介(日本旅行の創始者)が
お伊勢参りの団体を引率したのが日本での「旅行業」の始まりです。

それから115年。

若い人は今、自分で何でも手配できますから旅行会社は使いません

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手間ばかりかかって儲からない仕事

手間ばかりかかって儲からない仕事

手間ばかりかかって、儲からない仕事。

講演会では、ベルテンポの旅作りやサービスへの考え方の話しをします。

ある日の講演会後、懇親会の席で、隣の席の方から「いつもと同じ感想」を頂きました。

「いやあ、聴いてて思いましたけど、『ニッチ』ですよねー。」
「とても同業他社にはマネできないと思いました。」

私は思うのですが、障害がある方400万人、
ご高齢の方は全人口の20%=2400万人。

ニッ

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また、旅がしたい

また、旅がしたい

お世話になっている
経営者の方からメールを頂きました。

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おはようございます。
ヒントを頂きたくてメールしました。

78歳になる私の母が先日手術をしました。
無事成功し現在は一般病棟で
経過観察とリハビリのため入院しています。

順調に行けばあと数週間で退院
出来そうです。

現在の医学は素晴らしいですね。

手術のリスクで
母に万が一のことがあったらと思うと
親孝行しておけばよかっ

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ストレスフリーな旅

ストレスフリーな旅

ベルテンポも会社ですから(当たり前だけど)
年間の取扱計画、各月の予約状況等、
会社を経営していく為の数字が必要です。

その上で、
ベルテンポはユニバーサルツーリズムの
パイオニアとしての誇りと自覚を持っています。

ベルテンポの旅の
その考え方の根っこにあるのは、
「ユニバーサルデザイン」的な旅行です。

バリアフリーと言うと、バリアを取り除く。

つまり(主に車椅子ユーザーの

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明日の健康が約束された人はいない

明日の健康が約束された人はいない

先週、朝目覚めてスマホを手にしたら、
転送されて来たメールに目が止まりました。

タイトルを見た瞬間、気持ちがざわざわとして、嫌な予感は的中しました。

それは、私が30年前にお世話になっていた
方のご主人からのメールでした。

「妻宛にニュースレターをありがとうございました。お耳に入っているかも知れませんが、妻は残念ながら先月、亡くなりました。夫婦とも旅が大好きで高萩さんのことが話題になることも

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家裁の人

家裁の人

人吉、丸亀、中津、大分、喜連川。

旅が好きで、旅を生業とする私にはどの土地も旅情を掻き立てるには充分な地名です。

そして、もうひとつ。

これらの地名に共通するのは、
少年院がある場所ということです。

●少年院のかたち 毛利甚八著

著者の毛利甚八さんは、残念なことに早逝されてしまいましたが、「家裁の人」と言う漫画の原作者です。ご存知の方も多いと思います。

たまたま新

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遠くの親戚はめんどくさい

遠くの親戚はめんどくさい

在宅医療をされている開業医の
先生のところにお邪魔しました。

在宅医療で終末期の患者さんの
看取りをされているので、
休みがほとんどなく、
パスポートも切れたままだそうです。

看護師さん、事務スタッフとの
研修旅行の準備からサポート
させて頂くのですが、
パスポートを持っていない方もいらして、

「では、国内ではなく海外にしましょう。」

と提案しました。
パスポートは、取るだけも
テン

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バリアフリーダイビング

バリアフリーダイビング

私は洗面器で顔を洗うだけでも溺れる人間なので、人生の辞書にダイビングの文字はなかったのですが、ベルテンポを創業して、2回、フィリピンへダイビングツアーを企画しました。

全盲のお客様がダイビングをしたいと言うので現地に同行。
オーストラリア人インストラクターとの間で通訳みたいなことをして、船の上から傍観しようとしたら、

「フィリピンまで来て潜らないやつがあるか」

と言われて、私もまさかのダイビ

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ホテルがバリアフリールームをひた隠しにする理由

ホテルがバリアフリールームをひた隠しにする理由

来年はオリンピック、パラリンピックが開催されるので、バリアフリーだユニバーサルツーリズムだと盛り上がりを見せています。

とはいえ、
障害がある方と旅をしている身としては、
なんだかなあと思う状況はかわりません。

ホテルに泊まる際、
お客様によってはバリアフリールームが
安心と言う方もいらっしゃいますから、
手配することもあります。

ところがこの、

バリアフリールーム
ユニバ

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