見出し画像

お客さまは十人十色と言うけれど


こんにちは、高萩徳宗です。

今月は精力的に企業研修や講演にお邪魔しております。

さまざまな業種で働く方とのご縁は、本当にありがたいです。
サービス業という認識が日頃は少ない(あるいはまったくない)
方でも、サービスの本質やお客さまの側の視点を持つことで、
飛躍的に意識が高まりまるのが判ります。

今日は、お客さまの声を聞くにあたっての大切なポイントを
一緒に考えてみましょう。


●『お客様の声を経営に生かす』


お客さまの声を聞くために大切なことは、


誰の声を聞くべきなのか
どんな声を聞きたいのか
何のために聞きたいのか

 をしっかりと決めることです。

 それが決まっていないのにアンケートを取っても意味がない。
 お客さまの声って、誰の声?
 に明確に答えられる方経営者は、意外と少ないのです。
 まずは原理原則をしっかりと理解しましょう。


●お客さまは十人十色というけれど


ある週刊誌の見出しを見ていたら、餃子問題の特集を組んでいました。
その中で目に付いたのが、
「食品メーカーの本音。安くて安全な食品なんてムリだよ」
でした。

 安くて安全な食品を求める、
 「ないものねだり」
 の消費者が悪いのか、


 それとも重要な情報を開示しないで、
 「売れれば良い」
 と考えるメーカーが悪いのか。

こんな議論が多くなって来ています。

この消費者VSメーカーの構図でいつも思うことがあります。
それは、

「なぜ、メーカーと消費者が対立するんだろう。」

との素朴な疑問です。

おかしいですよね。

メーカーと消費者がどうして仲良くできないのでしょうか。
メーカーは本来、お客さまのためにサービス提供しているはずです。
少なくとも創業当初、サービス提供の初心はそうだったはず。

どこから狂ってしまうのでしょうか。

私はこう考えます。

「お客さまの間違った声を聞いてしまうから」

ではないか、と。

お客さまは、それぞれの主観で“勝手”なことを言います。
当然ですし、それはお客さまの権利です。

お客さまには何の罪もありません。
善良なお客さまの場合、もちろん悪気もありません。


冷暖房の話が判り易いかも知れません。


あるテーブルのお客さまは「寒いんですけど。」
少し離れたテーブルの男性は「おい、暑いぞ。」


どちらが良いとか悪いではありません。
嫌がらせで言っているのではなく、本心からそう思っているのです。

●なぜ、お客さまは神様ではないのか

寒いと考える女性と、暑いと大声を出す男性。
そのどちらが神様なのか。

こんな議論に「正解」がないのは当然です。


誰がいいとか、誰が悪いとか、
誰が正しいとか、誰が神様とか、

そんなことではないのです。
では、何が大切なのか。

まずは、あなたがどうしたいか、が大事です。


この「どうしたいか」が決まっていないサービスは軸がぶれて
右往左往することになります。

私は以前、若かりし頃、電車の車掌をやっていました。
電車内は冷暖房のクレームがとても多い場所です。
特に夏や梅雨の時期は大変です。

当然ですが、暑いという男性と、寒いという女性から
同時にクレームが来ます。

こんな時、どうするか。

しっかりと『意思』を持つのです。
暑いと言う男性に、

「申し訳ございませんが、
 この時期、女性には冷房が寒く感じられますので、
 上着をお脱ぎ頂くか、窓をお開け頂けないでしょうか。」


と、なぜ車内の温度を高めにしているかを「正直」に伝えます。


逆切れする乗客もいます。
でも、それは仕方のないことです。
体感温度は全員が満足ということはありません。

だからこそ、「軸」を決めるのです。


電車内の「軸」は体力的に弱い人、暑いより寒いと感じる人が優先です。
多くの“善良な”お客さまはこのことを了解して下さいます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?