イギリス医師免許試験 PLAB2: 概要

こんにちは!ベルーガです。
実は先日、イギリス医師免許試験であるPLAB2を受験してきました。
アメリカのUSMLEに比べて情報がかなり少なく、私もかなり準備に苦労しましたので今後受験を考えている方々に向けて詳しくPLAB2について記録を残しておこうと思います。

そもそもPLAB2とは?

イギリス医師免許試験であるPLAB (The Professional and Linguistic Assessments Board test)は1と2からなり、PLAB1という筆記試験(詳細はこちらの記事へ)をパスした後にPLAB2を受験することができます。内容はOSCE、つまり実技試験で問診、身体診察、診断、治療方針までカバーしなければなりません。1 stationにかかる時間は問題文を読むのに1分半、試験時間は8分間で全16 station をこなす必要があります。実際の試験は途中に2つrest stationとして休憩時間があり、トータル18 station、全体で約3時間の試験です。

ですが実は今年から元々外国人医師専用の試験だったPLABはイギリス国内の医学部生も受験するUKMLAという試験に変わります。(PLAB2は2024/5/17から、PLAB1は2024/8/8から移行: GMC公式サイトより)

私が受験したのはPLABですが今後受けられる多くの方はUKMLAになりますので試験の情報はご自身でアップデートされることをお勧めします。
ですが大きな変わりはないと(今のところ)言われておりますので私の記事も参考になれば嬉しいです!

いつ、どこで受験するの?

試験は月に18回ほどあり、希望の試験日を自分で選べます。試験会場はイギリスのマンチェスターにあり、Hardman Square またはHardman Streetで行われます。日によっては午前と午後に分かれて実施されますがそれは希望を出すことはできません。

PLAB2の合格基準、採点基準は?

16 station中最低10 stationパスし、かつ合計点数が合格点を上回ることで合格となります。

採点基準は以下の3つ、それぞれ4点ずつの合計12点で採点されます。
・data gathering, technical and assessment skills
・clinical management skills
・interpersonal skills

これらの項目を意識して普段から練習する必要があります。

他にも以下のような項目があるのでGMC公式サイトにある画像を添付しておきます。

画像は18 stationありますが実際の試験は16 stationです。

PLAB2の合格率は?

2023年のデータでは62.9%(GMC公式サイトより)です。受験者数は年々増加しており合格率は年々低下しています。(GMC公式サイトより)

どんな内容が問われるの?

ほぼ必ず出題されるのが以下の通り

・Simman case: マネキンを使った救急患者対応
・Combined station: 医療面接に加えて眼底鏡や腹部診察など実際にexaminationをやることが求められる。
・Prescription: 処方箋を手書きで書く。
・Teaching: 医学生や看護師に診察の仕方や手技を教える。(患者にエピペンの使い方を教える、というcaseもあり)
・Breaking Bad News、problem colleague、medical errorなどethics的な内容。
・telephone / video consultation: 電話・ビデオ通話で医療面接をする。(たいてい両方出題される。)

他にもLGBTQ+、虐待、angry patient、patient refusalなどtrickyなcaseが多々あります。またイギリス独自のシステム(DVLA、citizen advice bureauなど)や色んな種類のclinic(TIA clinic, diabetic clinicなど)、サポートグループ(LGBTQ foundation, Macmillan Cancer Supportなど)も勉強する必要があります。

PLAB2の何が難しいのか?

私含め多くのdoctorが悩むポイントは以下の4つだと思います。

1. 教材がネット上に多数出回っておりどれに手を出すべきかまず悩む。そして教材によってカバーしてるcaseとその質が違うのでこのcaseはこの教材が良いけど別のcaseは他の教材がいいということが多々あり、色んな教材を行き来しなければならないこと。

2. 適切な練習相手を探すのが最重要でありながら最難関。また継続するのも難しい。

3. LGBTQ+など日本の医学部では全く学ばない内容を含み、breaking bad newsやmedical error, problem colleague などethics的な内容のマネジメント能力も問われること。

4. クスコや点滴針など医療器具の構造と使い方が日本と異なっているため基本的な手技の練習が必要である。また身体診察の仕方にも違いがある。もちろん処方箋のフォーマットも全然違う。

以上、PLAB2の概要でした!
今後は私がどのように勉強を進めてきたか、特に最後に書いたPLAB2の難関ポイントについて詳しく記事にするつもりですので次のnoteもお楽しみに〜
Stay tuned! :)


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