見出し画像

Giftクラウドファンディングのあとがき #giftcf

 通販がはじまりました。

 通販完売時、追納はありません。多くのご支援ありがとうございました!

クラファンあとがき

 十一月某日 東京某所 夜 宅急便から受け取った荷物は、ゆうに三十箱をこえていた。バケツリレーの方式で運び入れ。「案外入ったな」「これ明日の動線どうします?」「退かしましょうか、この機械」「明日の男性陣がきてからで……」「じゃあ先生サイン」「サイン、これ、こうの予定で……」「うーん、え、この紙は?」「それは間紙いれて~~。適当に切ってくれる? 読めなくてもいいから……」「いいわけないでしょうが。持ち帰ります」「ひーんすみません。サイン、サイン……」この夜は五十冊もサインしないうちに私がダウン。明日朝はやめに開始ということで、解散。翌日は七時にはホテルを出て、朝ご飯を買って現場にイン。サイン、とにかくサイン、サイン、サイン…………。「おはようございます~」「よろしくお願いします!」「これ荷物全部です?」「最初何からです?」「おっも。箱」「じゃあこっちをパッキング、こっちを梱包にわかれて……」「あて名どうなってます??」「こっち人間足りません!!」「お久しぶりです~~」「二人か三人余剰が出たら順番に食事休憩入って!」私はこの間中ずっとサイン。午前が終わった段階で、「うーんこれ、終わらない可能性がある、な……」「とにかくやっていきましょう」午後もまたお手伝いの人が増え。サインはなんとか終わり。「ため書きいれたいんだけど……」「えっうーん」「駄目です。駄目。絶対だめ。動線組んでからじゃないと駄目!!! 事故る!!!!」というわけで、私は机の下で丸くなり休憩。食事に行こうかと思ったのですがトラブルがあった時の判断が必要ということで栄養剤だけ買ってきてもらって……。しかしこの日私より過酷だった前日からの司令塔スタッフ、食事休憩も一切とらずに最後まで走りきってくれました。本当に本当に本当にありがとうございました。郵送物にミスがありましたら、いつでも対応いたします!! よろしくお願いいたします!!

 満を持して、はじめたクラファンでした。スケジュールがタイトすぎるのではないか、とはじまる前に言われたりもしたのですが、結局、このスピード感が限界でベストだったのではないかと思います。キャパシティとスケジュールギリギリで、なんとか走りきりました。いえ、まだこれから最後に、トークイベントを予定もしていますが(年明けになる予定です。お待ち下さいませ)、ひとまず、皆様からいただいたご支援で、ものづくり、は、最後。いかがでしたでしょうか。みなさんの感想は、気になるところでもあるし、いや、感想をもらわずとも満足かも、と思うところでもあります。

 クラファン、思っていたよりも、数段、数倍、「対話」でした。支援してくださる読者さんと、いつもの、書き手と読み手、売り手と買い手以上の交流があった、ように感じます。ただのこちらの一方的な肌感覚かもしれませんが、今、とても充足の気持ちがあります。疲れたけど……! 私にとって特別な作品を、最後(これは、とりあえず、この、文庫化の最後)まで、特別にしていただけたんじゃないかと思っています。この美しい形で、私のつたない、でも精一杯だった文章が、形になったので、それ以上の喜びはありません。
 そうそう、特別小冊子、思ったよりもちゃんとした形の本になりました。いや、中身はこう、荒削りな何本かなんですが、その荒さがまた、この一連シリーズぽいな、と思います。
 限界の限界でつくってたので、あとがきを書く暇がなかったので、ここであとがきを書きます。あと、表紙の一筆も何枚か置いておくね。

特別小冊子あとがき

『ペグ』


 真木遊成と夢宮チロルの狂乱仕事の日々。ヒット作とされる本のタイトル書くの難しかったですね。そのあとのインタビューから先に書きました。この話、ちょっと表に出すにはまずい話になっちゃったな……そっと出せば大丈夫かな。でも、ここに出た古松くんは、なかなか気になる男の子だなと思いました。いつか書くかも。自分の物語のために、誰かが何かをしてくれていて、それを、応援出来るってのは……。うん。
 ヴァイオリンのシーンが書けて地味に嬉しかったです。宮本晴久、なんでもでき男。

『雨と禁煙居候』
 真木遊成くんの、雨、煙草、訃報。冒頭のシーン、十年前くらいに(古城ホテルの初稿を書いてた頃)断片だけ買いてあって、暗いシーンだから出すことないかな~と思ってけど気に入っていたので出せてよかったです。なんかもうね、長くエンタメに身を浸していると、もはや死からは逃れられないから、こういう話を書いちゃう時もあるよね。お葬式って、なんであんなに雨が多いんだろう。

『VSノンフィクション』
 インタビュー現場。お察しだけど、インタビュー記事として世にでたものは全然ちがうやつです。あれは、フィクション。で、こっちがノンフィクション、という話でした。このライターさんはすごく有能なひとで、これ以降、何度か真木は彼女を指名しました。

『融解水平線』

『真木遊成が書いた小説』です。真剣に、タイマンはって、「おろせたか」どうかはわかんないんですけども……。字数制限の、許すだけ、書いてみて……うーーーん、最後まで「ちゃんと」書き上げたいなという気持ちになりました。でも、書いたらどうする? どこにどう出すといいんだろうね。文芸賞を狙ってみたい、ような、彼の名義で同人誌としてまとめたい、ような……。まあどれもやってみたらいいかな。この年になって、いやこの年だからかな。でも、真木遊成を背負おうとしてみるなんて、思ってもみなかった。

『WEDDING photo』
 二人に救いがありますように。現代の、お金持ちの二人ではなくね。いつかの、路地裏の、餓えと凍えに、救いがありますように。そういうお話でした。誠意と誠実。平田開闢は、そういう意味で、赤い尾びれをもつ神様であり、魔法使いでした、という話で、これはおしまい。

 リクエスト、本当にありがとうございました。なんじゃこの偏りは。まあ、さもさもありなん。これがGiftです。愛が形になる、こういうわけ。楽しんでもらえたら、幸いです。

GOODSあとがき


 クラファンをしなかったら、グッズをつくることもなかったと思います。さいこ~~のグッズになったので、ぜひ、普段使いをして下さい。普通に使えるように、デザインも極限までシンプルにしていただきました。どれもオススメですが、キーホルダーはポーチにもつけられるし、眼鏡ふきをそこにいれてもいいんじゃないでしょうか(スマホとかも拭けるよ!)あと、マステは、せっかくマステにいたしましたので、もったいなくても少しは使ってみてください! なぜかならば~~差分イラスト二種が入っているからです! それもまた偏りなんですが、どちらもすばらしいイラストなので、見て欲しいです。こちら、つなげたら手ぬぐいよりも長いイラストなので、手ぬぐいよりも長いイラスト、なにに使えるんだ……? と考えた結果、こういうテープになりました。グッドデザイン。

 そしてシークレット封筒は、三キャラクターの『実在証明』名刺となります。以下デザインさんよりのコメントです。

■平田開闢/初代が頼んでいた昔ながらの名刺屋にそのまま頼んでそう……みたいな印象
■宮本晴久/開闢と一緒にまとめて発注してあげてるんだろうか(同じ書体)(わたしからは、写真みたいな用紙のオーダー)
■真木遊成/手触りがするするなめらかな紙が好きそう、という勝手なイメージ。平滑性の高い紙って人肌っぽい吸い付きを僅かに感じる(気がする・恋愛の文字のニュアンスがなんかそれっぽい気がするフォント
 すべての総デザインを、七木香枝さんにお願いいたしました。HINOさんの美麗イラストと合わせて、お楽しみ下さい。

 イラストカバーデザインも、当初「折り返しまでのしきつめのデザインは作画コストがかかってしまうかも」とおっしゃっていらっしゃって、コストのかからない形で構いません、とお願いしたのですが、結果として本当に、本当に……。十年前から描いていただきましたが、「Giftの絵は、吸われて疲れます」というニュアンスのお言葉をいただき、最上級の褒めだなと思いました。本当に、ありがとうございます。真木遊成の顔を最後まで描かないでいただけたこと、残念がる人もいるのかもしれませんが、私はとてもよかったと思っています。私も彼の、カラーグラスをとった顔、あんまり見たことないんですよね。

あとがきの、あとがき

 これから、ええと、電子書籍の配布があり、そして最後にイベントがある予定です。まだふんわりとしていますが、一夜限りの(一昼限りのかもしれない)Giftの話だけをするイベントの予定です。ぜひそれまでに、読んでおいていただければと思います。どんなイベントにしましょうかね。ゆっくり決めていけたらいいな。クラファンって実際やってみてどうだったか、という話も、どこかで出来たらいいのかもしれないなと思っています。いや、なにもかも、結構な力業でしたが。

 今回宛先住所チェック、一件一件していったのですが、それこそ高校の時の友達、小学校の幼なじみから、作家仲間、いつもファンレターをくれる方まで、いろんな方と触れあわせていただきました。特別な夏でした。本当にありがとうございました。次、次な~~。あんまりやりませんが、いつか、どこかでやるかもしれません。その時にまだ、こいつのこの作品、応援してやってもいいかな、と思ったら、一口のっていただけたら嬉しいです。

 そしてそろそろ、サークルは次の少女文学の新刊へと舵を切ります。次は何になるのかな。そのうち、少女文学に真木遊成が寄稿する、そんな魔法があってもいいのかもしれないなと思っています。いやないよ、わたしが大変じゃん。
 Giftについては、今後も皆さんに応援していただいて、愛してもらえる分、何かを書いていけたらいいですね。それではそれでは、この辺で。

 沈黙と、永遠に。
 愛をこめて。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?