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【音楽雑記】#75 マドンナ「Take A Bow」と中国風ヨナ抜き楽曲の系譜(1994年①)

この年、マドンナの「Take A Bow」(テイク・ア・バウ)がリリースされた。
それまでマドンナの曲を積極的に聴くことはなかったが、この曲はとても気に入って初めてシングルCDを買った。

ヨナ抜き音階で中国風のゆったりとしたメロディが心地良かった。
プロデュースと作曲にベビーフェイスが関わっているが、日本の音楽が何らかの形で影響を与えているように思われる。古くは「SUKIYAKI」、或いは坂本龍一を通してかもしれない。

いずれしても自分はこういった中国風メロディの楽曲が好みだ。二胡の音色が入ったりすると尚良い。

日本の歌謡曲から現代J-POPに至るまで、この系譜は多く存在している。
音楽的な分析には詳しくないが、単なるヨナ抜き音階というだけでなく、中国風を感じる音の飛び方や独特のこぶしに特徴がある。

「蘇州夜曲」

日本におけるそんな中国風音階の源流の一つが「蘇州夜曲」だ。服部良一作曲による1950年代の曲だが、現在に至るまで各年代のアーティストによって歌い継がれてきた名曲だ。(美空ひばりから、桑田佳祐、小田和正、奥田民生、、まで数えきれない)

「君がみ胸に 抱かれて聞くは 夢の船唄 鳥の歌 ♪」の冒頭で特徴的なしゃくり上げやこぶしが散りばめられている。

そして、この曲風の影響下で、各年代でいろんな楽曲が生まれたと思う。

「かしの樹の下で 」サザンオールスターズ (1983)

サザンで思い浮かぶのがこれ。中国残留孤児のことを歌った曲だそう。二胡の音色で奏でてもいいような美しいメロディだ。

「木蓮の涙」スターダストレビュー (1993)

特に中国/大陸風のAメロが情感を誘う。

「満月」米屋純 (1994)

これも中国風メロディの曲。ジャケットの建物は上海「江海関」と思われる。

「恋」星野源 (2018)

最近でいうと星野源の「恋」。アップテンポの曲だが、系譜は同じ。しっかり二胡の音色も入って心地いい。

「アイドル」YOASOBI (2023)

ついに日本発、中国風ヨナ抜きメロディの世界的大ヒット。


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