少女像と私たちの尊厳

 そもそも従軍慰安婦問題って、韓国側の主張に沿ったとしても、悪いのは、大日本帝国陸軍の一部と彼らと直接的又は間接的に取引のあった一部の業者でしかないわけです(大日本帝国陸軍による行為の責任は、ときの日本政府並びにその権利義務を承継している現政府が引き受けなければならないにせよ。)。

 人員の確保方法ないし確保した人員の管理方法において非人道的な扱いがあったとされたところで、人道的な意味での非難は、これに関与した人々が浴びるべきものであって、そのような非人道的な扱いがなされていたことを知らなかった当時の日本人や、まして当時生きてすらいなかった私たちが浴びるべきものではないし、実際、韓国の人たちも、(どこの国にでもいる過激な人たちのことは知りませんが)基本的に、当時生きてすらいなかった私たちを非人道的な存在として非難してまではいないのです。

 なので、従軍慰安婦の像と言われている少女像がどこかで展示されていようとも、私たちの尊厳も、日本国の尊厳も損なわれないし、そのような少女像を無理矢理撤去させることは、日本国にとって何の利益にもなりません。

 むしろ、「政府見解と異なる内容を表現する表現物を撤去せよ」とか「政府見解と異なる内容を表現する表現物が展示されている美術展に国や地方公共団体は助成金を出すな」などということを国会議員や閣僚や市長等が公言してしまう国であることを内外に示すことの方が、そのような国の構成員である私たちの尊厳を害するものと言えます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?