平成29年度 【意匠】問7の枝2:"じっくり解説" 弁理士試験 短答式 本試験

 前回から【問7】の解説を始めています。

(問題文の全文は別ページに掲載しています。以下の解説は、自分で問題を1度解いてみてから読むようにしてください。)

すでに枝1の解説は終えているので、続けて「枝2」を解いていきます。

【問7】
意匠の類否判断に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
2 登録意匠と、それ以外の意匠とが類似であるか否かの判断にあたり、「取引者」の観点を含めることが認められる。

 意匠法24条2項には、

(登録意匠の範囲等)
第24条
2  登録意匠とそれ以外の意匠が類似であるか否かの判断は、需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行うものとする。

「需要者の視覚」とありますが、この「需要者」に取引者を含めることができるのか、意匠法上は「需要者」の定義がないために問題となっています。

 「需要者」とは、一般需要者と取引者とに分かれます。一般需要者とはいわゆるエンドユーザーのことです。他方、「取引者」とはB to Bの取引にかかわる業者のことです。

 もともと意匠の類否の判断主体については、最高裁判例では、

「物品の意匠について一般需要者の立場からみた美感の類否を問題
とする」

と判示されていました(最判昭45年(行ツ)45号)。

 しかしながら、条文上は意匠の類否判断を一般需要者に限定せず、単に「需要者」とし、「取引者」も含む概念としています(意匠審査基準22.1.3.1.1参照)。

 以上より、「枝2」は正しいと正誤判断できます。

 ということで、次回は【問7】の「枝3」について解説をします。

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