平成29年度 【意匠】問8の枝5:"じっくり解説" 弁理士試験 短答式 本試験

 引き続き【問8】の解説をしていきます。

(問題文の全文は別ページに掲載しています。以下の解説は、自分で問題を1度解いてみてから読むようにしてください。)

【問8】
意匠の無効審判又は意匠権の消滅に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
5 無効審判において審判の対象となっている意匠権の通常実施権者も、意匠権者を補助するため、その審判に参加することができる。

 【問8】については、「枝1」から「枝3」までは無効審判に関する出題であったので、「枝4」を飛ばして、同じく無効審判について問われている「枝5」を続けて正誤判断するのがスムーズです。

 無効審判における補助参加は、「審判の結果について利害関係を有する者」(特許法148条3項)に認められます(意匠法52条で特許法148条を準用)。

 ここで、「審判の結果について利害関係を有する者」とは、権利の消長によって影響を受ける者のことをいいます。

 ある意匠登録が無効になってしまうと、その意匠登録に係る意匠権について通常実施権もまた、消えてしまいます。

 ゆえに、意匠権の通常実施権者は、無効審判の結果について「利害関係を有する」と言えます。

 よって、意匠権の通常実施権者は、意匠権者を補助するために、無効審判に参加することができます。

 したがって、「枝5」は正しいと正誤判断できます。

 「枝5」は、特許法148条3項が意匠法に準用されていること、および148条3項の「利害関係者」についての当てはめができれば正答できる問題でした。

 なお、通常実施権者が「利害関係者」(148条3項)であることは、『産業財産権逐条解説』の特許法148条の解説にも説明があります。

 以上より、【問8】はこれまでに解説した「枝1」・「枝2」・「枝3」・「枝5」のいずれもが正しい選択肢であるから、残りの「枝4」が誤りの選択肢であり正解であると消去法で判断できます。

 【問8】はもちろん、これまで解説してきたように無効審判に関する知識に基づいて正誤判断することによっても得点できます。

 しかしながら、意匠の国際出願系は今後は論文式試験でも出題されることが予想され、また難易度も条文レベルの問題であることから、この際にぜひ攻略しておきましょう。

 というわけで、次回は「枝4」の解説をします。

弁理士試験ランキングで1位になりました。

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弁理士試験:平成29年度 短答式試験の解説

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