【弁理士試験】論文式試験に合格するためには、答案に「〇〇」を書けばよい

 論文式試験を合格点を取るためには、答案に何を書けばよいでしょうか。

 前提として、弁理士試験で実施されるのは論文"式"試験であって、「論文試験」ではありません。また、受験生が本試験で書いて提出することが求められているのは、「答案」であって「論文」ではありません。
 そしてこの「答案」という言葉自体を見ればわかるように、答案に書くべきものは、ごくシンプルに言えば「答え」です。もう少し丁寧に言うと、受験生が答案に書くべきなのは、「問いに対する答え」です(『最新版 演習問題式 弁理士になる最短合格法』p106参照)。

 「問いに対する答え」を書くためには、まず第一に、「問い」を正確に把握する必要があります。「問い」は、問題文に明記されていますから、見つけること自体は難しいことではありません。過去問を題材に何回かトレーニングすれば、正確に把握することはできます(この点については別の機会に改めて解説します)。
 次に「答え」についてですが、そもそも「答え」は何のために書くのかというと、それは、「得点するため」です。すなわち、「答え」とは「得点になる記載」のことです。では、答案用紙に記載することのうち、何が得点になるかというと、それは「(問いに対する)結論とその理由付け」です。

「(問いに対する)答え」=「(問いに対する)結論とその理由付け」

この公式のうち、「理由付け」とは、「①根拠条文+②あてはめ+③趣旨」で構成されます。しかし、わずか4ページの答案用紙に書くべき項目が複数ある近時の論文式試験では、問いに対する結論の理由付けとして、すべての書くべき項目について「①根拠条文+②あてはめ+③趣旨」を記載することは、スペースの都合上、不可能です。そのため、書くべき理由付けも優先順位をあらかじめ決めておくことが必要です。

 まず、理由付けとしては根拠条文はマストです。つまり論文式試験では、

「(問いに対する)結論+根拠条文」は「答え」として必ず書く

と言うことができます。そして記載バランスを考えながら*、②あてはめ⇒③趣旨の順で理由付けを手厚くしていく、というアプローチをしていくことになります(*「記載バランス考えながら」というのは、論文式試験における最後の迷いどころですから、これもまた改めて詳しく解説する予定です)。
 もちろん、③の趣旨については、「立法趣旨も含めて事案に即して述べよ」(平成29年意匠 問題II)のように、明示的に問われているときは、必ず書きます。とはいえ、答案の完成度を高めていくためのファーストステップとしては、

「答え」=「得点になる記載」=「(問いに対する)結論+根拠条文」

これを基本としてブレずに毎回書けるように準備をしましょう。

 「根拠条文」については、短答式試験の正誤判断をするときに丹念に意識することが、論文式試験で根拠条文を記載する姿勢に繋がります。

「選択肢をなんとなく正誤判断して正解できる」

といったレベルでは弁理士試験の最終合格は覚束ないことを肝に銘じて、短答式試験のときから自分に厳しく勉強していくことが最後に自分を楽にする、そう信じて日々の勉強をしましょう。

 今回は論文式試験で答案に書くべき答えについて解説しました。

「(問いに対する)答え」=「(問いに対する)結論+根拠条文」

を正しく書くためには、過去問を題材に答案構成をすることによって実力を養うことが近道です。
 ということで次回は、弁理士試験の論文式試験における「答案構成のやり方」について解説していきます。

弁理士試験ランキングで1位になりました。

宗教法人としての法人格は有していませんが、お布施・お賽銭・玉串料・初穂料、いかなる名義や名目をもってするかを問わず、すべての浄財は24時間受け付けています(笑)