平成29年度 【意匠】問7の枝5:"じっくり解説" 弁理士試験 短答式 本試験

 引き続き【問7】の解説をしていきます。

(問題文の全文は別ページに掲載しています。以下の解説は、自分で問題を1度解いてみてから読むようにしてください。)

【問7】
意匠の類否判断に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
5 意匠権の侵害訴訟においては、意匠権者の「登録意匠の実施品」と相手方の物品の意匠との類否が判断される。

 【問7】はこれまでに解説した「枝1」から「枝4」までがすべて正しい選択肢であるから、自動的に「枝5」は誤りです。

 「枝5」は、実務的な知識がなくても、

「登録意匠について不実施である場合でも権利行使はできる」

ということを思い出せば、誤っている選択肢であることが見えてきます。

 つまり意匠権者は、登録意匠の実施品を持っていない可能性もあり、そのようなときも意匠権の行使は認められるからです。

 意匠権侵害の成否を判断する際は、「枝5」の問題文とは真逆で、

「意匠権者の登録意匠と、相手方の実施意匠との類否が判断される」

のです。

 仮にあなたがこの「枝5」の正誤判断を間違えたなら、とにかくまずは、

意匠権者の「登録意匠の実施品」

という問題文のワードに違和感を感じることから始めてみてください。

 問題文の文言に正しく違和感を感じることができれば、よりスピーディな正誤判断が可能になっていきます。

 以上より、「枝5」は誤りの選択肢であり、【問7】の正解肢となります。

 ということで、次回は【問8】の解説をしていきます。

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