答案講評例⑨:平成26年 商標

平成26年の商標の答案は、合格ラインを上回っていると評価します。ただ、問II(2)の積極ミス(後述)がどのように成績に響くか、不確定要素があります。

 問I(1)について、よく書けています。問I(2)についてもOKです。

 問II(1)について、サプリメントについてはOKです。
 「化粧水」の項目で商標の類否判断をしていますが、「称呼同一として類似する」ではなく、「称呼同一であり、全体として類似する」と区切ったほうがよいです(氷山事件で判示された規範の表現に沿います)。それ以外の記載はOKです。

 問II(2)について、問題文の末尾に、「ただし、甲と乙との交渉は考慮しない」とありますから、譲渡交渉を項目として挙げるのは手痛い積極ミスです。
 無効審判について、4条1項8号の無効理由を挙げているのはよいです。そのほかの無効理由の解答もOKです。
 請求人適格のあてはめは、よく書けています。効果についてもOKです。
 ちなみに、無効審判の「請求認容審決」は「無効審決」と書いてもOKです(手の負担が多少減ります)。
 不使用取消審判について、「甲は」とあるのは、「商標権者甲は」と、不使用の主体を丁寧に書いたほうが良いです。なお、「正当理由」については、商標権者側の主張事項であり、請求人の立証事項ではないため、解答スペース・解答時間が限られているときは、省略してもOKです。
 ちなみに、不使用取消審判の「請求認容審決」も「取消審決」でOKです(手の負担が多少減ります)。
 不正使用取消審判について、「故意」の推認は、乙の商標が著名となった後に、甲が使用、のように、時系列を明確に表現したほうがよいです。
 最後の準特54条1項は、「申立て」ではなく、主張事項として、意見書の項目で書いたほうがよいです。

 問題文で「書かなくてよい」とされている事項には、波線を引いて、答案構成時に項目を挙げた場合でも二重線で消すようにすることをオススメします。

宗教法人としての法人格は有していませんが、お布施・お賽銭・玉串料・初穂料、いかなる名義や名目をもってするかを問わず、すべての浄財は24時間受け付けています(笑)