答案講評例⑯:平成29年 特許・実用新案

 平成29年の特実・問Iの答案について、偏差値でいうと少なくとも54はつくと考えます。

 問1(1)について、まず「在内者」という表現は用いませんので、「日本」の「居住」者甲、と、問題文の表現を使って正しく書いたほうが良いです。
 また本問では、「PCTの規定に言及しつつ」ですから、解答の2.において、国願法の条文のみを根拠条文とするのは、題意からそれます。
 さらに、問われているのは、「手続」なので、「シゲイテシメセ」の要件を手続として答えることが求められています(詳細は、答案例を参照してください)。
 国際出願日認定の効果も、PCT11条(1)柱書を示したほうがよいです。

 問1(2)について、内容OKです。なお、補正の機会を答えるところで、時期的要件は「所定の期間内」で丸めてもOKです(時間を稼ぐため)。
 
 問1(3)について、19条補正の国内移行手続は、「特許請求の範囲」の翻訳文ではなく、「請求の範囲」の翻訳文です。それ以外はよく書けています。

 問2(1)について、外国語書面出願の概要を説明する際には、「外国語書面」・「外国語要約書面」の語を使うほうが自然です。

 問2(2)はOKです。


 平成29年の特実・問IIの答案についても、偏差値でいうと少なくとも54はつくと考えます。

 問(1)では、2. 「平成25年2月から平成26年1月まで」が、「P設定登録(66条2項)前」であることを言う必要があります。
 また、「Aの製造」がイの「生産」であり、Aの使用はイの「使用」である(2条3項1号)であることをあてはめたほうがよいです。機能性調査であることの認定はOKです。
 一方で、平成27年4月以降の行為は、「自社の事業への使用」であるから、侵害、というように、問題文の事実を指摘して、結論を導いてほしいです。
 問(2)・問(3)はよくかけています。

 侵害系の問題において、実施行為のあてはめと、根拠条文の明示とを、可能であれば改善してみてください。

 問(1)では不十分な記載が散見された一方で、問(2)・(3)でよく書けていたので好印象でした。

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