平成29年度 【意匠】問5の枝4:"じっくり解説" 弁理士試験 短答式 本試験

引き続き【問5】の解説をします。

(問題文の全文は別ページに掲載しています。以下の解説は、自分で問題を1度解いてみてから読むようにしてください。)

「枝4」の解説に入りましょう。

【問5】
意匠登録出願及び意匠登録を受ける権利に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、特に文中に示したものを除き、意匠登録出願は、分割又は変更に係るものではなく、かつ、放棄、取下げ又は却下されていないものとする。
4 意匠登録出願人が、意匠法第17条の2第1項に規定する補正の却下の決定の謄本の送達があった日から3月以内にその補正後の意匠について意匠登録出願をしたとき、もとの意匠登録出願は、常に、取下げたものとみなされる。

 まず、問題文中に「常に」という副詞がありますから、

「この枝は誤りではないか」

という推定が働きます。

解法テクニック3:問題文中に「常に」とある場合、この選択肢は誤りだと推定できる。

 「常に」というのは、「100%」・「必ず」といった意味ですから、例外が1つでも見つかれば、その時点で文章全体が誤りだと判断できます。

 なお、この解法テクニックは、

 さて、問題文を改めて読んでみると、

4 意匠登録出願人が、意匠法第17条の2第1項に規定する補正の却下の決定の謄本の送達があった日から3月以内にその補正後の意匠について意匠登録出願をしたとき、もとの意匠登録出願は、常に、取下げたものとみなされる。

とあります。

 問題文中の「補正後の意匠について出願」という言葉だけを拾って、

「補正却下決定後の新出願(17条の3第1項)だ!」

と飛びついてはいけません。

 問題文には「補正却下決定後の新出願」をするとは一言も書かれていないからです。

 もちろん、設問の出願人は「補正後の意匠について補正却下決定後の新出願」も可能ですが、補正後の意匠について通常の出願(6条1項)をすることも可能です。

 その場合は、補正前の意匠についての出願(「もとの出願」)は取り下げたものとはみなされず、なお審査に係属します。

 よって、

「もとの意匠登録出願は、常に、取下げたものとみなされる。」

とある「枝4」は誤りだと正誤判断できます。

 「枝4」も素直に読めば正解できる、条文レベルの出題と言えますね。

 ということで、次回は【問5】の「枝5」について引き続き解説していきます。

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