R1意匠得点表20191017

答案講評例㉔:令和元年 意匠

【形式面】
・小問ごとに1行空けて解答していますが、詰めて解答してください。
・添削でも指摘しましたが、主語・目的語を明示した文を書くよう心がけてください。主語や目的語がないと、文が異なる意味にとれてしまうことがあります。

【内容面】
問題Iについて
・全体を通じて、本問は事例問題であるから、各規定の適用を解答する際には「Bの出願人甲が」・「Aに係る先願が」・「Bに係る後願は」のように、事案の対象がどのように取り扱われるのか、具体的に述べる必要があります。
・AとBは類似する場合と類似しない場合とがあるので、「AとBとが類似する」ことを断定するのは危険です。
・新規性喪失の例外規定の適用については、主体的要件の言及に得点が望めます。
・関連意匠についても、「AとBとが類似する」ことを断定するのは危険です。
先後願に係る意匠が類似するか否かを判断するのは審査官ですから、拒絶理由を通知されたときに、本意匠の表示をする補正をするという対応をするが通常です。
・関連意匠の出願の時期的要件については、「公報の発行前まで」ではなく「公報の発行日前まで」です。積極ミスと評価されるおそれがありますので注意が必要です。
・秘密意匠について、手続として「(意匠を秘密にすることの)請求をするときは、願書に添付すべき図面その他の物件を密封し、かつ、「秘密意匠」と朱書しなければならない。」ことへの言及は不要です。現行法では1年次の登録料と同時に秘密請求することも認められいるので、本規定は死文化していると考えられるためです。

問題IIについて
・本問のような条文説明問題では、解答に際し根拠条文を適宜示す姿勢が必要です。法律答案は「記載+根拠条文」が解答の基本ですので、初見の問題のときほど、根拠条文を積極的に示して点数を拾うようにしたほうがよいです。
・特許出願から意匠登録出願へ出願変更ができる理由への言及が弱いです。逐条解説(青本)の記載を再現することはできなくても、「同一の客体について出願形式を変更することは認められるべき」というキーフレーズは示しておきたいところです。
・要件の異同について述べる箇所でも、根拠条文への言及がないために、得点のとりこぼしがあったのが残念でした。

【総評】
事例問題における具体的な表現に課題があるようです。また、とりわけ条文説明問題において根拠条文の明示が少なかったことも気になりました。次回以降の答案練習ではこれら2点に留意して解答すれば、得点の向上が期待できます。がんばってください。

以上

宗教法人としての法人格は有していませんが、お布施・お賽銭・玉串料・初穂料、いかなる名義や名目をもってするかを問わず、すべての浄財は24時間受け付けています(笑)