平成29年度 【意匠】問10の枝3:"じっくり解説" 弁理士試験 短答式 本試験

 引き続き【問10】の解説をしていきます。

(問題文の全文は別ページに掲載しています。以下の解説は、自分で問題を1度解いてみてから読むようにしてください。)

 「枝3」の解説に入りましょう。

【問10】
意匠権者である甲から意匠権侵害の警告を受けた乙がなしうる主張のうち、意匠法上明らかに理由がないものはどれか。
3 乙は、甲の意匠登録出願に係る意匠を知らないで自らその意匠に類似する意匠の創作をし、甲の意匠登録出願の際、現に日本国内においてその意匠の実施である事業をしており、その後も、その実施の事業の目的の範囲内において実施をしているにすぎないという主張。

  「枝3」は先使用権(29条)に関する問題です。それに気が付くのは、問題文一行目の「知らないで」という文言でしょう。

解法テクニックその3:特実意商の四法の本試験問題で「知らないで」が出てきたら、先使用権の有無をチェック
(短答式・論文式を問わず使えます)

 先使用権の発生要件をキーワードでまとめると、

1. 知らないで創作
2. 出願の際現に
3. 日本国内において
4. 実施の事業・準備

の4つですね。「枝3」の問題文にも、

3 乙は、甲の意匠登録出願に係る意匠を①知らないで自らその意匠に類似する意匠の創作をし、甲の意匠登録②出願の際、現に③日本国内においてその意匠の④実施である事業をしており、その後も、その実施の事業の目的の範囲内において実施をしているにすぎないという主張。

という4つの要件がきれいに揃っていますから、先使用権が発生します。そして自己の先使用権の効力として、実施の事業の目的の範囲内で自己の意匠を業として実施できます(29条)。

 よって、「枝3」の設問において、乙は29条に基づいて自己の先使用権の範囲内で登録意匠に類似する意匠を実施する権原が有するため、乙の主張は意匠法上の理由があります。

 したがって、「枝3」は正しいと正誤判断できます。

 【問10】は、枝1から枝3までは、迷うことなくスラスラと正誤判断できる、易しい問題と言えます。この手の問題では時間をかけることなく正解し、他の問題に解答時間を回したいところですね。

 ということで、次回は「枝4」の解説をします。

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