答案講評例㉑:平成30年 商標

平成30年の商標の答案について、偏差値で54程度はあると考えます。

 問題Iについて、3条2項の趣旨・適用条件はOKです。ただ、「規定が認められるためには」という表現は、「適用が認められるためには」としたほうがよいです(規定は、国会で法案が可決された時点で認められています)
 「同一性」については、「商標の同一性」のみならず、「商品・役務の同一性」についても問われています。後者を意図的に答えなかったのであればこのままでも仕方ありませんが、読み飛ばしがあったのならば注意をしてください。
 条文説明問題(1行問題)・事例問題ともに、1つの設問で、2つ以上の事項が問われていることがあります。設問表現にもナンバリング*をして、漏れなく答案構成⇒作成する答案に反映させるとよいです。

*今回の問題では、

商標法第3条第2項の①趣旨と②適用要件を説明した上で、当該規定を適用するに当たって③「出願商標と使用商標の同一性」及び④「出願商標に係る指定商品・役務と使用商標に係る商品・役務の同一性」は厳格に解するべきか否かについて論ぜよ。

のように、問われている事項に数を付記しておくことで、項目落ちを防ぐことができます。

 問題II問(1)について、解答項目はOKです。細かいことですが、商標管理人に関して、「在外者甲は、商標管理人によらなければ審判の請求ができない」ことの理解を採点者に示すために、「選任した商標管理人に拒絶査定不服審判請求を代理させる」と書いたほうがよいです。

 問題II問(2)の解答は、OKです。マドプロの根拠条文を示す際は、「マド9条の2」ではなく「マドプロ9条の2」としたほうがよいです。

 問題II問(3)について、先後願判断について、乙の出願は、「甲の出願の日後に」なされたものであって、「甲の登録の後に」なされたものではありません。正しく書く必要があります。
 また、無効理由については、「4条1項11号違反」と書いたほうがよいです。また、無効審判の請求の根拠条文は、「46条1項柱書」としたほうがよいです(46条1項1号は、無効理由の根拠条文です)。
 無効審判の請求を商標管理人に代理させることに触れているのは加点です。
 準特168条1項に触れているのも加点です。ただし、168条1項は、「申立て」ではなく、審判請求書で主張する事項として解答したほうがよいです。

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