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自宅を競売にかけられる

こんなことある。。。?

 2023年2月。
サリールちゃんのXデーから丸3年が経った今、自宅に裁判所の執行官が。
「あなたの自宅が競売にかけられたので不動産価値の調査に…」とのこと。

実は町工場を退職した翌年、妙なお手紙が届いていました。
とある弁護士事務所からです。
内容を要約すると、機会損失を補填しなさいとのことでした。

…( °д° )ハァ?

突如始まる追憶の町工場編

 町工場を退職する際、後任を入れて引継ぎを!と再三忠告しました。
結果、後任足りえる人材も確保出来ず、引継ぎは実父自身が受けざるを得なくなりましたが、それを屈辱的に感じてしまう実父は「お前の引継ぎなど必要無い!」とそのままXデーを迎えてしまいました。

 私が入社以前の販売代理店契約書には、受発注にはFAXと郵便書留のみと綴られている、まさに旧態依然という言葉がバッチリ似合う町工場です。

 生産技術として1年の下積みを終えた頃、新卒から17年も勤めてくれていた先輩社員が筆頭代理店と癒着していたことが発覚し、退職。彼が担っていた数多くの業務を引き継ぐことになりました。
詳細は省きますが、ややあって退職した彼から引き継いだ管理や営業に加えて設計にも手を出し、広告と広報もここから本格的に稼働へ。

SkyLakeおじさんの誕生

 設計部での目標は、新製品を出すこと。
理由は、設計部とは名ばかりで年々無くなっていく部品の代替品を見繕って宛がうだけの延命部門と化していた為です。
必然的に会社のPCでCADを勉強し始める訳ですが…私が入社する1年前に刷新された筈のPCほぼ全てがメモリ4GB、5400rpmのHDD、Celeron搭載の一体型PCという地獄絵図。
 ChromeでのTweetDeckすらままならない環境でよくもまぁと言ったところですが、日本の廃れゆく町工場の一因をまざまざと見せつけられました。
 調達も担当していた先輩社員の後任としてPCを改めて新調することへ動き出しましたが、1年前に新調したばかりということで正規の1/5の予算しか確保出来ず、従来のPCメーカー営業マンからはギリギリ1台提案出来るかどうかという有様。
 ここで趣味が生きてきます。自作PCの趣味と個人的な繋がりから1台当たり3万円で2017年としては悪くないスペックのPCを3台と社内サーバーを構築出来ました。SkyLakeアーキテクチャとはここで深い関係になりました。

新製品発売

 そこから2年後、サリール史上初のデジタル図面のみの新製品が完成。
生産効率の向上を狙って一挙2モデルを投入。

 元々、既製品のメンテナンス性に疑問を感じていたことに加え、生産部でもあり営業部でもあることで社内外の困ったを反映させられた我ながら傑作だと思っています。
 併せて1つの製品毎に個装箱と外装箱が用意されている点もダンボールの設計から始めることでカイゼンしました。

実父との確執

 幾つものカイゼンを推し進めることで業績は右肩上がりとなりました。
しかし、それも実父にとっては非常に面白くなかったのだと思います。
 祖父によって長年縛られ続けた実父は、私と同旨の提案をしても却下され続けたと。それを孫パワーでゴリ押しして実を結んでいく。
胸中を察すれば複雑な想いを抱くのも今となっては分かる気がします。当時の私はそんな父の愚痴に対して何で一度二度却下されただけでもっとしつこく食い下がらなかったのか?と逆に問い詰めてしまっていました。

 確執が決定的となったのが、販売代理店契約書の改定。
Twitterの運用も楽しくなってきた頃で、Twitterをキッカケとした代理店契約も増えてきました。元から分かっていましたが、ここで契約書の『受発注はFAXと郵便書留のみとする。』が問題になってきます。

 会社の顧問弁護士とキッチリ相談しながら販売代理店契約書を改定し、受発注の手段にデジタルを加え、また、二次卸に関する規定文も追加。
結果として、健全な販売代理店が増え、3次4次の代理店が存在してしまっていた販路や小売価格の健全化に向けて動き出しました。
それはつまり、既存の筆頭代理店は、無闇矢鱈な安売りをしたり詐欺的な販売店の責任を取る必要が生じたことに他なりません。
 販売代理店契約書のカイゼンは、既存の反発を招き、新規との共存は難しいことから既存の利益を守る為、先駆的優先権の規定も盛り込んで販売先情報の共有も盛り込みました。実情として販売先情報を共有してくれた既存代理店はただの一度もなく、その代わり、実父に対して三代目の暴走をどうにかしてくれと泣きついていたことが分かっています。
 実父と既存の筆頭代理店のフラストレーションのゲージが超必殺技を放てる程に溜まったのがまさにこのタイミングだったのでしょうね。

そして放たれる超必殺技

 実父と既存筆頭代理店の取締役の連名での私への退職勧奨。
既存の代理店にとって販売しづらくなる環境を作り続ける三代目は会社に損害を与える存在でしかないと記された退職勧告書を突き付けられました。これが表立って争いの火蓋が切られた最初の出来事となります。
 しかし、この時はまだ祖父が現役。
会社の若返りを図る為に私を入社させた祖父が現場に立ち続けている間は、私が脅かされることはありませんでした。
 健全な理由もあります。
既存の筆頭代理店の売上は確かに落ちたものの、新規の代理店が増え、新規による売上が既存を上回り始めていたからです。
祖父が逆に実父と既存代理店を叱責するくらいでした。

解雇通知

 しかし、遂に運命の時が。
祖父が歩くこともままならぬ程に体調を悪化させます。
90歳になるまでの約半世紀、休むこともほぼ無く毎朝通勤していた祖父も遂に現役を退く時がきました。
それに伴い、即座に復活する私の退職トーク。
しかも、今度は退職勧奨ではなく、解雇という強い表現での復活です。

 私は父と争いたくなかったので私が進めたカイゼンが保持されることとTwitterでのイベントを終わらせるまでの在職を引き替えに解雇を早々に受け入れました。こうして2019年11月の解雇通知から2020年2月までの解雇予告通知に変更。

引継ぎと解雇

 ようやく話がスタートラインに戻って参りました!
 保持すべきカイゼンの筆頭が、販売代理店契約書。
私が新規に契約した代理店の多くは、FAXなどはなから導入していない若い世代による法人でFAXと郵便書留のみの契約に逆戻りしたら売上が低迷するからです。
これを維持するには、メールやチャットツールによるファイルのやり取りと先方システムによる在庫管理の徹底が必須になる訳ですが…それを担当する人材が町工場に居ない…!
 そして迎えたXデー…Twitterで人材の確保すらしていた訳でTwitterを封じられた状態で新たな人材を確保出来る筈もなく、引継ぐ相手も居ないまま迎えたXデーです。まぁ、そのXデーの次の日には流石にアカンと思った外部役員らの要請で引継ぎの為にアルバイト出社していた訳ですけどね。最終日以降も口を酸っぱくして維持を叫ぶ私に対し、実父は維持に努めると約束してくれていましたが、結局それが守られることはありませんでした。

元通りになる販売代理店契約書

 ここまで長く読みづらい文章を読んでくれた方なら分かると思いますが、私を解雇した最大の理由は、販売代理店契約書を旧来の形に戻したい既存の筆頭代理店の思惑があったからに他なりません。
 販売代理店契約書が元通りになることで既存の筆頭代理店の売上が戻る。
単純にそう考えていたのでしょう。しかし、ことは上手く運びません。
しかし、ここで彼らにとって嬉しい誤算が。

コロナ特需

 私が退職したのは、まさに新型コロナが叫ばれ始めた頃です。
強い除菌能力を持つオゾン製品には追い風だった訳です。
コロナ特需が発生し、売上は相当伸びたと聞いています。
しかし、それも2021年の春くらいまで。

さらば空間除菌

 既存の筆頭代理店の売り方もまさにそれに類するものだった訳です。
一気に低迷し始める既存の筆頭代理店たちの売上。
新規の代理店は、販売代理店契約書が元通りになったことで既に町工場との契約を解消してしまっています。時間差ではありますが、町工場にとって自業自得なダブルパンチを浴びることになりました。
 少なくとも実父にとって盤石だった既存の筆頭代理店の牙城は崩れ去りました。こうなってくるとブランディングとマーケティングをしっかり考えて百貨店の外商部といったビジネスパートナーを得ていた新規の代理店による高級路線を貫く販路がいかに優れていたか、馬鹿でも分かるようです。
 が、契約書以上に私が不在の町工場とは組む価値無しと判断してくれた彼らにインターネット音痴の実父が今更口説いても靡くこともなかったようです。

そして届く訴状

 2021年中に『新規代理店との契約解消を私が意図した』というものと『意図的に引継ぎをせず、データを抹消したことで会社に損害を与えた』としたもの、『新規事業(BtoC)を始める為に独断で倉庫を契約し、会社に損害を与えた』などという訴状が届きました。

それを放置してしまったこと

 訴状の内容があまりにもお粗末であることに加え、流石に実子、長男に対してこのような訴えなどポーズであり、取り下げるだろうという私の甘い考えが最悪を招きました。
 どうやら合計3つ4つの民事裁判は、2022年の中頃まで続いていたようで一度たりとも出廷しなかった私は全てに敗訴し、当然、控訴期間も全て終わってしまっていたようです。

こんなことってあるんだな。。。

 実父から多額の支払いを命じられ、それを無視した結果、自宅を競売にかけられてしまう2023年2月の今が在ります。



さ、これからどうやって生きていこうか。。。

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