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アレクサンダープラッツ駅直結、意外に入り易い(?)駅ナカクナイペ

「ベルリン酒場探検隊レポート」

レポート提出者:松永明子

酒場データ店名:Bierbar Alkopole(ビアバー・アルコポーレ)
入りにくさ度:★★☆☆☆
居心地:★★★★☆
タバコ:店内禁煙(確かそうだったはず)
ビール:Radeberger Pilsener ラーデベルガー・ピルスナー 0.3L 3.0€ほか

ドイツの主要駅には、もれなく酒場がくっついている。

.....と断言していいのかどうかいまひとつ自信がないが、地方の中央駅なんかだと、駅構内からそのまま入れてビールが飲める、小さな酒場が必ずある。いわゆる「駅ナカクナイペ」である。

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ベルリンの主要駅にも、駅ナカ・駅近でクナイペはいくつもあるが、その中でも最もアクセスしやすいのは多分ここだろう。アレクサンダープラッツ(Alexanderplatz)駅に併設の「Bierbar Alkopole(ビアバー・アルコポーレ)」だ。

駅ナカクナイペは、旅行者でもドサクサに紛れて入りやすい

この店は、べルリンで生活している人なら確実に一度は目にしているし、前を通ったことも絶対にあるはずだ。

しかし逆に駅に直結過ぎて、そこがいわゆる「ベルリンならではの酒場」だと認識している人が少ない「灯台下暗し」的なクナイペが、ここ!!

「場末のクナイペは、人目につかない裏通りになくてはならない」......という先入観が、渋いクナイペを認識する障害になる場合もあるのだ。

現に、久保田隊員にこのクナイペ探検を提案した際には「あーー!!そういえばあそこに酒場あるねぇ!?毎日のように前を通るのに、酒場だと思ったことがなかったわ!」と言わしめるほどの、さりげない駅との一体感である。

そしてそのため、一見客でもうっかり気軽に入り易い、というメリットがある。ここは世界中からの旅人が行き交う駅なのだから。

そんなアルコポーレへ我々が初めて潜入したのは3月初旬の平日、ベルリンはまだ冬の気候でツアリストもあまりいない時期の夕方だった。が、店内はすでにいっぱいでかろうじて立ち飲みができるくらいの混み具合。さすが、ベルリンの主要駅の中という一等地に店を構えるだけのことはある。

充実のファスビアFassbier(樽生ビール)と、幅広い客層

ぱっと見渡した感じ、ドイツ人率90%、男性比率も90%超えという、クナイペとしては平均的な雰囲気。アジア人女性率0%という安定のアウェー感は、我々の望むところだ。

カウンターの中で忙しそうな女性にあいさつし、メニューを受け取る。さてどんなビールがあるか......。

おっと、私の好きな琥珀色のビール「Duckstein(ドゥックシュタイン) 」があるではないか!ならばこれでしょ!

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うん、おいしい!! Duckstein 0,3Lで3,20€。安いとは言わないが、まぁこの立地ならこんなもんだ。ベルリンではあまり飲めないこの琥珀色ビールが常にあるというだけでも、このクナイペ、なかなかいいではないか。

他に生ビールは、上品ですっきり飲みやすい Radeberger Pilsener(ラーデベルガー・ピルスナー)、コクのある黒ビール Märkischer Landmann(メァキッシャー・ラントマン)、軽く飲みやすい白ビール Allgäuer Büble Edelweißbier(アルゴイァー・ブュブレ・エーデルヴァイスビア)などがあり、この振り幅の大きな品揃えは、各地からベルリンに集まる旅人をもてなすに相応しいこだわりのラインナップと言える。

ひとくちビールを飲んで落ち着いて店内を見渡すと、ドイツ人ばかりに見える客層も、地元っぽい人と旅行者っぽい人がいることに気づく。ドイツ人ではない人もちらほら混じっている(その筆頭は我々なのだが......)。

そしてその誰もが、ドイツのおいしいビールを飲みながらリラックスしている。なんて楽しく素敵な空間だろうか!これぞ、クナイペ!!

町の入り口にある駅ナカクナイペに、ぜひ。

人が集まる場所には、クナイペがある。ドイツでも日本でも、それは駅である。どんな小さな駅前でも、そこにはクナイペがあり、赤ちょうちんがある。それはたいてい常連臭が漂い入りにくい場所に見えるが、さにあらず。

そこは一見さんと常連さんが混在する、一期一会のワンダーランド。旅人にこそ、そんな駅ナカのクナイペに飛び込んでみてほしいと願う。プロースト(Prost )乾杯!

ベルリンのさらなる秘境酒場の開拓と報告のために、ベルリン酒場探検隊への支援を心よりお待ち申し上げる。