見出し画像

本を贈ることは、心を贈ること。


ある人の愛読書を読むということは、その人の心に触れることに近いと思う。
何が琴線に触れて、どこが印象に残って、どうしてその本が大切なのかということを紐解くと、その人のことをより深く知ることができるような気がする。
だから事あるごとに好きな本をたずねまわって、薦めてもらったものはなるべく読むようにしている。


2021年5月18日。
5月18日は、ことばの日。

『ことばの日』とは、『言葉の企画2019』という連続講座に集ったみんなでつくった、大切な記念日だ。

”一生忘れられない日を企画してください”というお題の元、ちょうどみんなが初めて集う5月18日の語呂、そして「言葉の企画」という講座名から「5(こ)10(と)8(ば)の日」という記念日を作ろうという一大プロジェクト。
半年間何度も何度も話し合いを重ねて、晴れて日本記念日協会に記念日として認定された。
記念日をみんなで作るという営みそのものが、一生忘れられない企画であり、そしてそれは今もずっと続いている。



『ことばの日』には、”ことばを大切にして、ことばによって日々を豊かにしていきたい”という願いが込められている。

この日に、何をするか/しないかはもちろん自由で、想いを伝えたい人に手紙を書いてもいいし、いつもよりちょっとだけ優しい言葉を使おうと決めてもいいし、本当に何をしても(あるいはしなくても)いい。
ちょっとでも”ことば”を見つめ直すきっかけになってくれたらいいなあ、と思うのだ。


そんな中、今年は『ことばの日』のアクションのひとつとして”ことばの日には本を贈ろう”という企画を立ち上げてくれた人がいた。ユースケさんと言葉の企画2020の朱珠だ。
年度を超えて、『ことばの日』に携わってくれる人が少しずつ増えていくことが、とても嬉しい。

しかも本を贈る企画だなんて!!!
え〜〜〜こんな最高の企画参加する以外ないじゃん!!始まる前からワクワクすることある!!!???と秒で参加を決めたのだった。


これは愛読書を贈るのではなくて、

①自分が読みたいなと思っている本を5冊ピックアップして、スプレッドシートに理由とともに記入
②あみだくじで贈る相手を決める
③贈る相手の読みたい理由をもとに1冊選んで届ける
④そして選んでもらった1冊が手元に届く

というワクワク要素しかない企画なんです。
(みんなの欲しい本とその理由を読むのも楽しい!)


ちなみにわたしが贈る相手は、『ことばの日』の企画発案者で、だいすきな紫野ちゃん。
そしてわたしに本を選んでくださったのは、言葉の企画2020のきゃわのさん。

贈りものとかお手紙というのは、どうすれば相手が喜んでくれるかなあ、と考える時間まで含めて全部全部楽しいのだけど、今回はすごく悩んだ。じっくり理由を読んで、本のあらすじを読んで、今のタイミングならこれ、と一冊選び取って。
そしてわたしに贈ってくれるきゃわの氏は、もっと悩まれたと思う。だってうちら全くの初対面だし、本を贈るということがファーストコンタクトになることなんて、ある!?!?!?


ちなみにわたしが選んだのは、この5冊。(Amazonの欲しいものリストには常に本が30冊ぐらい溜まっているのだけれど、今回の企画にフィットしてしかも今の自分の気分に合うものをピックアップした)

①52ヘルツのクジラたち/町田その子
②シェアする美術 森美術館のSNSマーケティング戦略/洞田貫晋一朗
③食べて、祈って、恋をして/エリザベス・ギルバート
④内緒にしといて/長井短
⑤多様性との対話ダイバーシティ推進が見えなくするもの/岩渕功一

わたしが贈ったのは、これ。

そして、わたしが受け取ったのは、これ。


”これを読んで、元気いっぱいになってもらえたら〜と思って選びました”っていうコメント付で。
元気になってもらいたいという気持ちが超嬉しくて、誰かが自分のために本を選んでくれることってこんなに嬉しいんだなあと実感したのだった。
(ちなみにわたしは教員時代、拙い読書経験の中から自分のクラスの卒業生にひとり一冊選んでおすすめしたことがある。何かのきっかけになれば、と願いを込めて。どのぐらい手に取ってくれたかはわからないけれど、数名「読みました」って報告くれた人がいて、贈ること、そしてそれを読んでくれる人がいることがとても嬉しかったのをよく覚えている。)


ちなみにこの贈ってもらった『食べて・祈って・恋をして』は、2006年にNYでベストセラーになった本で、40以上の言語で訳されて映画化もされている。

エリザベス・ロバートさんの実体験に基づくエッセイなのだけれど、まえがきだけでもうインパクトがすごい。彼女がパートナーと離婚し(それが難航し)人生をリセットしてもう一度自分自身に出会うために旅に出るというストーリー。

・もし人生がゴミ圧縮機になっているのなら、何がなんでもそこから逃れていいのだ。
・「じゃあもし、あなたの人生があなたのものだったら、どうする?」
・おそらくあなたに必要なのは、人生に自由と喜びと活力を取り戻すために何を賭け、何を変えるのか、それをみずからに問うことだ。

まだ半分くらいしか読めていないのだけれど、次々飛び出す金言の数々、これが20年近く前に書かれたとは思えない!メモが捗る。そして、今のわたしにぴったりじゃない…?



相手のことを思って、一冊を選ぶこと、贈ること。
そして、その本を受け取ること、想いを受け取ること。
その両方を同時に経験して、本を贈ることは心を贈ること、そして心を受け取ることなのだなあ、と改めて強く思った。心温まる企画を本当にありがとう…!


▼『ことばの日には本を贈ろう』に参加した他メンバーの記事もぜひ◎
(随時追加予定です)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?