May. 28, 2021

残高が心配になってきたので、Uのデリバリーを始めたのだが、先週、坂道で急ブレーキをかけたときに前転してしまい、怪我をしてしまった。受け身はとれたとはいえ、擦り傷は少なくとも3か所、右手親指に痛みが残った。医療費的な観点から、できれば病院にはいきたくないので、一週間放置しておいたが、なかなか右手の痛みが引かなかったので、仕方なくレントゲンを撮って医者に診てもらった。結果としては、明白な骨折はみられなかった。ただ細かい骨が多いところなので、微細な損傷はあるかもしれなく、二、三週間は痛みや違和感が残るだろうという診断だった。いま私の右手にはロキソニンテープが貼られている。その程度といえばその程度だ。デリバリーをする人間はUに雇用されているわけではないので、労災は降りない。しかし、調べてみると見舞金をもらえるというのを知り、問い合わせをした。Uへ直接問い合わせたいのだが、アプリからもウェブサイトからもなかなかチャットの窓口なり電話番号なりが見つからない。「問い合わせる」というところをクリックしても、英語版のヘルプページに飛ばされるだけで、結局、第三者のブログ記事にて電話番号を発見し、電話をかけることができた。電話に出た男はやたらと丁寧で、Uに関する事情をあまり把握していないことは明白だった。その人を通じてなんとかUの本部の人らしきひとから折り返してもらう手はずを整えて切った。しばらくすると電話がかかってきた。こちらもまた丁重な話ぶりだったが、どことなく正社員の余裕が感じられる話し方だった、否、派遣社員かもしれない。てか、んなこたどうでもいい! ただ少なくとも、先程の男よりはましな待遇で働いているだろうし、経験も豊富そうな話ぶりであった。私は事情を簡潔に説明した。その結果、私には見舞金が支払われないことがわかった。私が転倒したのは、注文を受け取りに行く最中でもなく、注文を届けに行く最中でもなかった。店舗へ行くための指示のアラートがアプリに届くまでの、アイドルタイムだった。こういう時間はいくらでもあり、私はこうした時間には自分が勝手にメインとしているエリアへと戻るために自転車を走らせていた。しかしこのような時間は、補償に該当しないのだという。私は嘆息した。嘆息をもって返事とし、電話を切った。

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