配達人はプロい

幼稚園から中学生の間、遠方に住んでいる祖父母と文通していた。

 
遠方だから滅多に会えない。
祖父母とも足と腰が悪いので、上京してもらうのも難しい。
 
などの事情もあって、祖父母と孫の主な交流手段は葉書か手紙だった。
 
当時書いていた住所表記を、「日本の住所のヤバさ」という話題を読んで思い出した。

 
 
 
祖父母の住んでいた場所は何てことのない、住居表示がされてないタイプの田舎町なのだが…。

 
〒***-**
○○県○○郡○○町○○池 東
□□  □□様

 
当時、孫の私が書いていた宛先の表記がコレ。
 まだ郵便番号が五桁だった時代だ。間違えて無いヨ!
 
この住所のヤバい部分は「○○池 東」というローカルな表記。
 
 
この○○池は、田んぼの真ん中にある、大きさが25メートルプール程度の、常に水の濁った農業用らしい、ため池。
 
河川みたいに名称表示の看板も無いので、ため池に名前があっても地元民しか知らない。
 
普通に「ため池」って呼ばれてるモノも多そうだし、名前があるだけマシなのか?
 
 
不忍池みたいに、ある程度の広さがあったり、有名な観光地なら知ってる人も多いだろうが過疎地の田園地帯にあるような、普通のため池。
そこの東側という表記。
 

十年近く使ってたけど、コレ住所なの?
 
大人になった今考えると、こんな暗号みたいな表記て手紙を届けるとか、配達人プロい・尊い!
 
よく届けてくれたな当時の人よ…。
などなど、感謝を伝えたい心持ちになる。

 
 
とはいえ、祖父母からの返信の手紙の住所も同じく「○○池 東」だったので、幼児の自分は無罪を主張する所存(笑)
まっさらピュアピュアの幼児は無敵だ。


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