_リフォームストーリーvol

『リフォームストーリー』について【活動記録】

『リフォームストーリー』は連作シリーズで、リフォーム・増改築に特化した石田工務店に勤める石田達也を主人公として、リフォーム+恋愛要素を組み合わせた物語です。

あまり、このような内容の小説をお目にすることはないと思っています。もしかすると少しはあるのかもしれませんが、私の知るところ、そのような小説に出会ったことはありません。

建築に携わってきた経験を生かした物語を描きたいと思い、連作シリーズの小説を描くことに至りました。

お陰様で、多くの読者様と出会うことができてうれしく思っています。これからも創作に励みながら、活動していきます。

2019.09.05-「リフォームストーリー・vol.1」ロマンス・1位

内容紹介『リフォームストーリー』連作シリーズ・第一弾。
リフォーム・増改築に特化した石田工務店に勤める石田達也は、ある夜、ショット・バー『リトル・キャット』を経営しているマスターから誘いを受けて店に出向いていく。
マスターは達也の高校の先輩であり、新店を開店させるために必要な内装工事の発注主でもあった。その店で荒井瑠莉を紹介された達也は、彼女の家のリフォーム工事を受けることになった。
石田達也と荒井瑠莉の関係が錯綜する、ロマンスストーリー。

お知らせになりますが、10月に新作『リフォームストーリーⅡ』の出版を予定しています。連作シリーズ・第二弾です。こちらも、よろしくお願い致します。

「リフォームストーリーvol.2」写真

新作『リフォームストーリーⅡ』から抜粋した、下書きの文章です。

 その夜、達也は不思議な夢を見た。
 真っ白なベッドシーツの中で瞼を閉じていた達也は、ひんやりした指先の感触で目を覚ました。
 探るように伸びて来る手先が、やさしく頬にふれていった。目の前にいるのは小夜子だった。小夜子は、虚ろなひとみで見つめている。濃い茶色のひとみは、まるでガラス玉のように人工的だった。冷めたような視線に驚いた達也は、反射的に起き上がろうとしたが、金縛りにあったように、からだが動かない。頭を動かそうとしても動くことはできなかった。
 ここはどこなんだろう、と思いながら、小夜子の視線を避けるようにして白い天井に目を向けた。視線を移すと、小花のオブジェを思わせるペンダントライトがぶら下がっているのが見える。小花のオブジェは、明るさをたたえた生成り色の灯りを煌々と照らしていた。
 ぼんやりした思考のなかでも、達也は知らない部屋にいることだけは理解できた。でも、なぜ小夜子がここにいるのか理解できなかった。
 長い髪の毛が突然目の前を覆ったかと思うと、柔らかな湿った感触が胸のあたりに芽生えた。それは小夜子の唇の感触のようであった。開いた唇から生暖かい吐息が漏れて、達也の肌にふれた。
 生暖かでしめっぽい舌は、這わせるような動きで胸もとからみぞ落ちへと下がってゆく。
 達也はゾクゾクとした感覚を覚え、思わず身震いをおこしそうになった。されるがままになっていると、心地よい気分が高まってくる。
 混沌とした意識のまま快楽に身を任せていた達也は、切なくなり瞼を閉じた。
 やがて意識が遠ざかっていくような気がしてくると、それは夢の跡のような記憶になった。

     いつもnoteを読んでいただき、ありがとうございます。

           幸田 玲・著作一覧


サポートして頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。