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旬の話題で売り捌かれ、消えてゆく運命の小説とは違って

自著『夏のかけら』が、小説『赤毛のアン』と隣り合わせに並んだのを見たとき、ふと、中学時代の教室の情景が目に思い浮かびました。

当時、放課後の教室で女の子たちが固まって話をしていました。近くに座っていた私は、彼女たちが『赤毛のアン』について熱心に語っている内容を、さりげなく聞いていたことを思い出したのです。

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『赤毛のアン』は、カナダの作家L・M・モンゴメリーが1908年に発表した長編小説です。特に児童を対象に書かれた作品ではないようですが、児童文学と認識されているようです。

モンゴメリーが『赤毛のアン』の著作を最初に複数の出版社に原稿を持ち込んだときは、すべての出版社で出版を断られ、自宅の屋根裏部屋に“お蔵入り”していた時期が数年あったそうです。

年月を経て、モンゴメリーが本作を読み返し面白いのでやはり出版すべきだと思い直してから出版社に再度交渉すると、今度はトントン拍子に進展しました。

モンゴメリーの著作は村岡花子氏の訳が有名で、日本でアンを普及させた訳として知られています。また1954年に、三笠書房、新潮文庫より刊行され、より一層『赤毛のアン』の著作は全国の読者に浸透しました。

発表されてから100年の時を経ても読み継がれている小説、『赤毛のアン』。物語の世界観に深みと重みのある、人々の心の底に残る優れた小説と言えます。近年の小説の傾向にある、旬の話題で売り捌かれ、消えてゆく運命の小説とは違って輝きはくすむことがありません。


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