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ベタの散文詩

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楽しい哀しい ベタの小品集 他のも見てね。 散文詩、自由詩、ポエム、エッセイ?ジャンルは正直よく分かりませんが…。フィクションとノンフィクションのはざま、プランク時間以下に目覚め… もっと読む
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2019年3月の記事一覧

(処女作)頭の上の、コトリたち

昔ね、私 頭の上に鳥を飼っていたんだけど そいつがいつヤッタンダカ知らないけど卵を産みやがって 温めはじめたのです。 頭ふるなよ、と言うから もう、歩きにくいったらありゃしない やがて卵は孵化して、殻を破って出てきたヒナは もうエサをくれくれうるさいったりゃありゃしない それで親鳥、いつのまにか二羽になってて、交代で子育てし始めたの。 もう通勤の、地下鉄の中でも、仕事の会議中でも、騒がしいったりゃありゃしない。 なにがって、夫婦ゲンカですよ。 やれつぎは

幼い頃 実家で寝かされながら じっと外の音を聞いていた感じ

幼い頃 私は体がそんなに強くなかったのか 冬は冷え込む地方の実家に行きつくと まず疲れすぎてるので まず布団をひいて寝かされる、が常でした まだお外は昼下がり 薄暗い和室の真ん中で じっと天井を見つめていて じっと外の音を聞いていて ただしんみりとしたこころもちで 外で遊ぶ兄達の声 狭い路地を通る車の音 玄関のピンポンの音がして 大好きなお母さんかお父さんが出る音 階下でわめいている妹の声