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「ホップステップだうん!」 Vol.167

今号の内容
・巻頭写真 「昆布作業」 江連麻紀
・続「技法以前」141 向谷地生良 「全的結合-気心の知れた関係」
・ お食い初め
・BaseCampus 人間関係の苦労研究会 第3回「呼び起こせハプニング!仲間の力」
・なおのん便り 「過去の再構築(The Re-construction of my whole life)〜別の見方」
・福祉職のための<経営学> 029 向谷地宣明 「定常志向」
・ぱぴぷぺぽ通信 すずきゆうこ 「専門家」
・「べてるアーカイブ」配信のお知らせ


昆布作業

「浦河町の特産品である日高昆布を売ろう!」と1983年にべてるの商売がはじまりました。
その昆布作業は現在ニューべてるで行われています。

きざみ昆布と、だしパックの袋詰め作業のとき、つまみ食いをしてノド詰まらせて「ゲホゲホッ」と咳込んでつまみ食いがバレるのが恒例になっています。
べてるの理念「手を動かすよりも口を動かせ」はこんな意味もあったのかも。

つまみ食いしたくなるほど美味しい昆布作業を音楽聞きながら楽しく作業しているメンバーです。
私はパリパリ昆布が最近のお気に入りです。

(写真/文 江連麻紀)

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続「技法以前」141 向谷地生良

「全的結合-気心の知れた関係」

最近、極めて難解なんですが「複雑系科学」に関する文献の斜め読みをしています。それは、このコラムでも取り上げることの多い「同期現象」、そして、一番の関心は、同期現象の一つとして考えられる当事者研究やオープンダイアローグをはじめとする「対話」の持つ可能性を探ることです。

以前も紹介したような気がしますが、「同期(シンクロ)現象」のわかりやすい例が、複数のメトロノームをバラバラに動かすと、次第に波長が合い、同じリズムを刻むようになるという現象です。他にも、蛍が同じリズムで光る「同期発光現象」や、水族館で見られる「イワシ玉」と言われるイワシの群れの独特の動き方です。あらゆる生命は基本的に同期していると言われ、「ヒトは同期を探し求める動物である」(「SYNCなぜ自然はシンクロしたがるのか」スティーヴン・ストロガッツ)とも言われ、実は宇宙そのものが同期をしているのだといいますから、本当に不思議です。

ここで大切になってくるのが「リズム」です。バラバラだったリズムが、次第に歩調を合わせるようになり、同期が進むのです。当事者研究に例えると、このリズムを促進させるのが私は「笑い」と「ユーモア」だと思っています。その正反対の怒りや不安も大切です。振れ幅が大きいほど、ダイナミックな同期が進み、ある局面で、思いがけなかった新しい風景や意味が立ち上がるのです。

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