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10.平屋建ての決断 ~脳出血を患った旅行会社社長が一組限定宿をつくるまで

7月下旬の伊豆合宿以降、最大の懸案事項に焦点を当てて動いてきた。
それは、現地に行って真っ先に視界に入った"電線"の塊を、どう交わすか?
業者に下草を刈ってもらい、雑木林の中に分け入ることはできた。
平屋建ての場合、大室山の上の青い空に黒い電線がばっちり見えてインパクトが強すぎる。
一方、2階建てにした場合は、電線が山の下の方にかかるような植栽をして、そこに電線が見えても視線をぼやかす、という譲歩案が、有力になってきた。
うーん・・残念だ。この電線の塊、なんとかならないものか。
仮に僕たちだけがこの別荘地所有者を通して電力会社に電線撤去を懇願したとしても、よっぽど危険が伴う、とかそれなりの理由がなければ、無理な相談らしい。それ相当の費用もかかるので、将来的に近所同士と結託して、皆で電線撤去、地中埋め込み工事の依頼ができるようになったら、その可能性はゼロではないかも、ということだ。ハードルが高すぎる。

設備設計の池島建築士と治子さん
長い年数を経て育ちまくった大木

下草除去後の土地を確認後、ぼくたちは、2階建て案を苦渋の決断とし、皆に説明をすることになった。電線ビューは2階建ての方がまだましだよね、ということと、ホームエレベーターを入れることで、2階へのアプローチの負担を軽減できること、予算的には平屋建てより少し押さえられる、というメリットをかき集めた。1階部分のウェルカムテラスのオープンな作りも気に入ってはいた。でもなんとなく、気持ちが晴れ晴れしていない。2階建てで妥協しましょう、というモード。

やはり。最終的にはそうはならなかった。電線ビューを優先するのか、空間の居心地を優先するのか・・肝心な部分を突き詰めたら、答えはおのずと決まってくる。
最後の最後に、決めた瞬間。

平屋建てに決めました!の瞬間の安堵した顔

さあ、これからグイグイいきますよ!ようやくレイアウトが決まったから。

→11.高次脳機能障害と長時間ミーティング