アスパラおじさんに出会った

昨日、海に行きました。キプロス島はその名の通り、海に浮かぶ島なわけです。しかも地中海というオシャレっぷり。

友達と海辺を歩いていたところ、声をかけてきた全身青いジャージのおじさんがいました。こっちでは通り過ぎる人に挨拶する人はたくさんいるので、こちらも普通に挨拶しました。

すると、"Where are you from?"と聞かれたので、"What do you think?"なんていらんクイズを出してみたのですが、日本人だと見事に当ててくれました。話してくれたのが嬉しかったのか、そのおじさんは色々案内をしてくれて、例のごとく、簡素なナイロン製のリュックからビールを差し出してくるわけです。いらないさ、いらないさ、弱いしさーと断っていたのですが、あまりにも差し出してくるし、海を見ながらビールもいいか・・・と思いいただきました。

▲無限にピーナッツを剥いて食べさせてくれるおじさん


それから、ずっと気になっていたことをおじさんに尋ねました。「手に何を持っているの?」と。

おじさんは会った時からずっと何かを手に握りしめていたのです。

すると、おじさんは少しはにかみながら答えました。

"Asparagus!"


彼は手に持っている何本かのアスパラガスのうち、わたしと友達に2本ずつアスパラをおすそ分けしてくれました。


それ以降は、彼と一緒にアスパラ探しの旅となりました。

彼はどんな草むらでもアスパラをすぐに探し当てる、まさにプロ。見つけては嬉しいそうにもぎ取り、手に握るのです。

おっちゃんより先にアスパラを見つけることはわたしにできるのかと、わたしも一生懸命アスパラを探しましたが、見つけられたのはたったの2本。アスパラあったよ!と教えてあげると、

"Thank you my friend!!" 

とそれはそれは喜んでくれるおっちゃんでした。


色々話を聞いていると、彼の家には、うさぎ、鶏、ベリーの木などたくさんの動植物がいるそうです。すべて彼の食料用(キプロス島ではうさぎを食べるそう)。つまり、彼は自給自足の生活をしているようでした。

朝はフルーツを食べ、昼は海で泳いでるらしい。どおりですごく健康そうでした。年齢はけっこういってそうだったけれど、体格はしっかりしていて、若々しかった。リタイアしているのかと思いきや、仕事はペンキ塗りなんだとか。

海はゆったりしていて、最高の音楽だと言っていた。日本人ってせっかちなんだろ?って言われてしまって、その瞬間、たしかにわたしはこのおじさんいつまでここでゆっくりするのかなとか、このあとどうしようかなとか、そういうことばかりを考えていて、ゆっくりしたふりをしているのは体だけで、心はせっかちなままだったなと思った。

心も体もゆったりするのって難しい。怠けるのとはまたニュアンスが違うだろうし、時間は有限だし、かと言って急ぐのがベストでないことも分かっている。


わたしもアスパラガス、摘もうかな・・・


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