見出し画像

第24回目~ワインのお話~

今日は、ショートブレイクで、ワインに関するちょっとしたお話をシェア。
 
前回のカナの婚礼で、イエスが水をワインに変えた奇跡をご紹介しましたが、皆さんの中には、クリスチャンはお酒を飲まない、と思っていらっしゃる方もおられるのではないでしょうか?
 
まずこの答えですが、聖書で良くないとされているのは、お酒に飲まれてしまうこと、いわゆる泥酔、酩酊というものです。(ローマ13:13, エペソ5:18)

また、イエスの最後の晩餐と呼ばれている食事の時に飲まれたものは、ワインであったと言われてますし、具合の悪い時には、薬として少量のワインを飲みなさい、とも書いてあります。
 
ですが今日のポイントはそこではなく、カナの婚礼の際に、人々が酔っているのに、イエスが奇跡によって更にワインを追加されたのかどうか…というところです。

これだと人々は更に酔っ払っていった…つまり泥酔や酩酊となっていったのではないでしょうか???

それを調べていったら、興味深いことがわかりました!

新約聖書でぶどう酒と訳されている元々の言語はギリシャ語で「オイノス」という言葉なのですが、意味を調べると、実は「ぶどうの飲料」という意味で、お酒に限定されていないのです。
 
通常ぶどうは、絞った瞬間から発酵し始めるので、古代はその発酵をくい止める技術はなかったのでは、と思われるのですが、文献を調べるとそうではなく、既に知恵がありました。
 
当時のギリシャやローマの著作物の中に、ぶどうに関する記述がかなりあるそうです。その中で、搾りたてのぶどうを煮詰め、1/3くらいの量になったものを、素焼きの器か、皮袋に入れ保存すると、発酵せずある程度保存できると書いてあるとのこと。(プリニウスの博物誌。コルメラの農業論という著作物から)また、彼らがぶどうの飲料を飲む時は、発酵していてもしてなくても、基本水で薄めていたとも書かれています。(いわゆる濃縮果汁という感じですよね!)
 
さらに、イエスの奇跡によってできた飲み物が「良いぶどう酒」と訳されていますが、この「良い」という原語が「カロス」という言葉が使われています。これは「道徳的に優れている。益となる」という意味で、一般的に良いと訳される「アガソス」ではない、というところも、注目したいところです。
 
そして最後に、カナの婚礼の客が「酔っ払った」と訳されている聖書があるのですが、これも「メスュースコー」(ムズイ言葉…)には、酔っ払う以外に、満腹する、満足する、という意味があるのです。
 
このような感じで元々の言語の意味を調べていくと、イエスの奇跡のワインは、発酵していなかった、アルコールは含まれていなかった、という可能性が出てきます。
 
このあたりは翻訳の領域ですね!
 ただ言葉を訳すだけではなく、当時の社会状況をよく知ってから訳を考える、ということが大切になってきます。
 
聖書が訳され始めた頃は、イスラエルの歴史や文化に詳しい人々へ殆どいなかったことでしょう。それ故に、今でも聖書の原語を細かく調べる学者は、世界中にいるのです。
 
今日のトピックに関しては諸説あります。ですが、このぶどうに関する資料は、よくある疑問に対して一つの指針となるなぁ、とも思いました。
 
やっぱり聖書は奥深いし、面白いなぁ、と思ったのでシェアさせていただきました。
 
 
それではまた次回!



#聖書 #新約聖書 #バイブルスタディ #イエスキリスト #福音 #ゴスペル #真理 #聖書をまとめて読む #聖書をわかりやすく #みことば #世界一のベストセラー #四福音書 #マタイの福音書 #マルコの福音書 #ルカの福音書 #ヨハネの福音書

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?