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力でねじ伏せることがトレンドの世界では、クーデターが多発するのか?

ロシアによるウクライナ侵攻や、イスラエル・パレスチナ情勢の悪化による戦闘、比較的大きな軍事衝突が起こっているこの時代に、我も我もとクーデターを起こして政権転覆をはかるという小規模な軍事衝突が相次ぐ事態になると・・・

このようなことが世界で頻発されれば、明らかに”力でねじ伏せることが大きな成果となる”時代、つまり戦争の時代が拡大することになる。

そのため、世界はウクライナ侵攻やパレスチナ情勢だけを注視するだけでなく、いまアフリカで相次いでクーデターがなぜ起こっているのか、その理由を知る必要があります。



なぜアフリカでクーデターが相次いでいるのか?


2020年以降、クーデターがあったアフリカの国は、マリ、ギニア、ブルキナファソ、ニジェール、ガボン、スーダンです。

NHK番組『キャッチ!世界のトップニュース』「またクーデター なぜ?」(23/8/31放送分より)

これらの国に共通しているのは、スーダンを除いてフランスの旧植民地であること、そしてフランスと密接な関係を築くことで長期政権が続いていた国であること、そして若年層を中心として旧宗主国フランスに対する反感の拡大”アンチ・フランス”が起きていること。


なぜここにきて、”アンチ・フランス”の感情が噴出しているのか?

その理由はクーデターが起きた現地の映像を見ると分かります。

まずは、街の様子としてクーデターを歓迎する住民の姿があります。

NHK番組『キャッチ!世界のトップニュース』「またクーデター なぜ?」(23/8/31放送分より)

さらに”アンチ・フランス”としてフランス大使館への襲撃

NHK番組『キャッチ!世界のトップニュース』「またクーデター なぜ?」(23/8/31放送分より)

ニジェールクーデターの際には、ロシアの国旗を掲げているクーデター支持者の住民の姿、彼らは「ロシア万歳」「プーチン万歳」などと叫んでいたそうです。

NHK番組『キャッチ!世界のトップニュース』「またクーデター なぜ?」(23/8/31放送分より)
NHK番組『キャッチ!世界のトップニュース』「またクーデター なぜ?」(23/8/31放送分より)

さらに、西アフリカのマリとブルキナファソでは2020年以降に相次いだクーデターで発足した軍事政権がロシア寄りの姿勢を強めています。


そう、クーデターを起こしている国々で存在感を増してきているのは、ロシアです。


ロシアのナラティブが広がっているアフリカ


今年の夏にロシア・サンクトペテルブルクにてアフリカ諸国の首脳を招き「ロシア・アフリカ首脳会議」を開催、ロシアはアフリカに穀物の無償供与を提示してきた。

このような背景から、アフリカ諸国はこのようなナラティブが広がっていることでしょう。

「フランスはアフリカを見下しているだけだ、頼りになるのはロシアだ」


これはフランスに限った話ではないと思います、欧米に対しても反発の感情を持っているものだと思います。つまり欧米主導の秩序に対する反感・・・

「民主主義や人権といった欧米の価値観を一方的に押しつけられている」


アフリカ諸国にも自分達にだって伝統的な価値観があるという意識をアタリマエに持っています、それを欧米が強制的に自分たちのやり方に従わせようとしている、そういうナラティブ。

だからこそ、国際社会は実感しています、先進国がこれは悪だと思っていたものに、なぜグローバル・サウスは賛同してくれないのか?ウクライナへの軍事侵攻がロシアの好感度の悪化に結び付いておらず、むしろインフラ投資や軍事支援をしてくれるロシアや中国に対する親近感や好感度がアップするという結果になっている、これこそがアフリカでクーデターが相次いでいる理由だということを、私たち日本人も知っておくべきことだと思います。

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