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コロナ禍におけるビッグバンドの活動

たまには五月雨に思うままに書いてみようかと。なおテーマがテーマなので色んな考え方があると思います。それこそ「コロナなんて単なる風邪だ、世間は騒ぎすぎなんだよ」という人もいれば「コロナは十分に警戒しなければいけない」という人もいて、それはそれでそれぞれの考え方でいいと思いますが、ここでは「コロナ=それなりに警戒するもの」として書いていきます。

ビッグバンドというのはことコロナに対して実に据わりが悪い

まずビッグバンドという名前の通り、ステージには沢山の人間が乗る。勿論クラシックのオーケストラ程ではないが、逆にいえばクラシックのオーケストラは人数に対し十分な広さのホールで演奏することが多い。それに対しビッグバンドはクラシックのオーケストラが演奏するようなホールで演奏することもあるが、そうではないもっとこじんまりした場所でも演奏する。老人ホームでの慰問演奏なんてこともやったるするぐらいですから。さはさりながら人数が少ないわけではないので、3~4人編成のコンボバンドが演奏するような小さいライブハウスで演奏するわけでもない。要するにある程度の広さは確保しているものの、その確保している広さに対する密集度がどうにも気になってしまう、これが私が最初にあげた据わりの悪さというものである。

それなりに三密になりやすい

小編成のバンドがこじんまりとした箱で演奏する場合、こう言ってはなんだがお客さんもそんなに多くない。昨年コロナが流行り始めた際、当初ライブハウスでクラスターが発生したことでライブハウス全体がバッシングの対象になった時期もあったが、その際誰か忘れたが「ジャズはそんなに客入らないから大丈夫」という超絶自虐的なツイートで反論してて、個人的にはかなりツボに入りましたwww

が、ビッグバンドの場合、ステージに乗るアーティストがそれなりにSNS等で宣伝したりするとそれなりに人が集まってしまうケースがあります。そうなると、それなりの広さのところにそれなりの人数がそれなりに密閉な空間でそれなりの時間滞在する、こんな状況が出来てしまう。

声をつい出してしまいがち

そして、それなりに盛り上がると「ヤー」だの「オー」だのといった声がついつい出てしまう。更に酒が入ると・・・とまぁ、うん、気を付けようね、としか言いようがない。

10月に緊急事態宣言が解除された

とまぁ、ただでさえビッグバンドなんて追い風なんてそんなに吹くことないのに、これでもかと逆風吹きまくりな状況であります、ひえ~~~~

それでも10月に緊急事態宣言が解除されたのを皮切りに活動再開したというバンドも増えてきているように思えます。またビッグバンドが参加するイベントも増えてきているように思います。アマチュアビッグバンド界隈で目についたところとしてはこんなところかな。

プロのビッグバンドであればこんな感じ

お酒も20時までと限定されているものの飲めるところでは飲めるし、こうなれば今まで行けなかった分どんどんライブに行きたいなぁとも思うわけです。

一方アメリカのコンサート案内のページなんか見ると、ガッツリ鑑賞条件が出てきます。

https://www.kennedy-center.org/whats-on/explore-by-genre/jazz/2021-2022/mingusibig-band/

以下、deeplで日本語訳したものです。

ワクチン・マスク・ポリシー
2021年9月1日発効

お客様の健康と安全、そしてパフォーマーとスタッフの安全を確保するために、ケネディセンターは以下のことを実施しています。
ポリシー:
ケネディセンターで行われるすべての屋内公演やイベントに参加するには、COVID-19の完全な予防接種の証明が必要です。
12歳未満のお子様、病状や宗教上の理由でワクチン接種ができないお客様は、屋内でのパフォーマンスに参加する際に、最近のCOVID-19 PCR検査が陰性であることを証明する書類を提出する必要があります。詳細についてはCOVID安全対策の全文をご覧ください。
ケネディセンターのすべての屋内スペースでは、予防接種の有無にかかわらず、すべての利用者および来場者に常にマスクが義務付けられています。

チケット購入者は、チケットを提供する人にこの規則を伝える責任があります。これらの方針に従わない公演チケットの所有者は入場できません。

ポリシーの詳細と要件は以下のサイトでご確認ください。
https://www.kennedy-center.org/visit/covid-safety/Kennedy-Center.org/COVIDsafety

なかなかシビアだなぁ。

で日本の話に戻ると、とりあえず感染者数も減り、ワクチン接種も進み、緊急事態宣言もあけて、と目下イケイケな状況ではあります。しかし、だからといってノーマスクでワクチン証明も陰性証明も無しに多少体調悪くてもガンガン酒飲んで騒いでOK、という状況ではないのかなと。この辺りのブレークとアクセルの踏み方、一つ間違えるとドカンとそのまま第6波という話にもなりかねない危うさが漂っているように感じます。

アマチュアのビッグバンド愛好家は無理のない範囲で

またアマチュアビッグバンドの活動再開にあたってはやはりリハーサルをどのように実施するか、という問題もあると思います。ライブ本番は広い会場で実施するといった対策も取ろうと思えば取れると思いますし、演奏も基本1回きりなのでこまめに換気するなどの対策も取れると思います。

それに対し、普段の練習はえてしてライブ本番より狭いスタジオであるケースも多く、且つ何回も演奏を繰り返しながら細かい部分を詰めていくなんてこともある為、油断するとつい長時間3密状態を作り上げてしまうなんてケースもあると思います。

また、管楽器奏者が演奏の流れでノーマスクのままガンガン喋ってしまったり、ブラスのメンバーがつば受けの皿やティッシュを掴んだ手でそのまま色んなところを触ったり、換気が出来ていないまま長時間練習に没頭してしまったり、そこに実は陽性でしたなんてメンバーがいたら・・・この辺は大いに気を付ける必要があるかと思います。

社会的側面

そしてビッグバンドというのは人数がそれなりにいます。それなりの人間がいればそれなりに色んな意見が出てくるのは当然です。プロミュージシャンに関していえば少なくとも活動を活発化させていくことは生活の糧を得ることでもあるので当然といえば当然ですが、アマチュアのビッグバンド愛好家は基本普段は音楽とは別の生業を持っているわけで、その中には疫学的なものは勿論のこと風評的なものにも気を付けなければいけない(リスクある場所にいたというだけでそれなりに問題になってしまう)立場の人もいたりします。

最初に書いたように実に様々な考え方が成立する状況なので、一方が一方をあーだこーだ言っても仕方ない部分はあると思います(勿論きちんと議論する場であーだこーだ議論するのは大いにやるべきだと思いますが、あくまでアマチュアビッグバンドの活動という話にフォーカスするとその議論はあまり建設的にならないかなと思う次第です)。

なので、個々人の考え方は尊重しつつ、とことん妥協し無理のない範囲で活動していくというのが当面の基本スタンスになるのかなと思います。

打ち上げどうするんだ!?

あとはリハーサルや本番後の打ち上げですよねぇ。ある意味こっちが本番だというくらいウェイトが大きいバンドさん、プロでもアマでも沢山見かけますから、これはかなり大きい問題です。東京都の出している情報を見ると酒類提供は原則20時まで、人数は4人以内となっています。

●「徹底点検 TOKYOサポート」プロジェクトにおける「感染防止徹底点検済証」の交付を受け、かつ、これを店頭に掲示している店舗
・営業時間の短縮(5時~21時)を要請(法第24条第9項)
・同一グループの同一テーブルへの入店案内を原則4人以内とすることを要請(法第24条第9項)
・11時から20時までの間、酒類提供・持込を可とする

●上記点検済証の交付を受けていない又は掲示していない店舗
・営業時間の短縮(5時~20時)を要請(法第24条第9項)
・酒類提供・持込の自粛を要請(法第24条第9項)

同一グループの同一テーブルへの入店案内を原則4人以内、ここがビッグバンドは引っかかってしまう。どうしても飲みたい、打ち上げたいというバンドはセクション毎に分かれて打ち上げ、ってサックスが1人あぶれてしまうではないか(5-4-4-4の場合)。いや、大抵1人2人は打ち上げ来ないって奴もいるからそこで調整すれば・・・とか、色々考えてしまう人も多いのではないでしょうか。これは分かります。ホントね、打ち上げ大切ですから。

ただ、これもやはり無理のない範囲でという話になると思います。繰り返しになりますが、コロナに関しては本当に色んな考え方が成立するので、ビッグバンドのようにそれなりの人数が集まるコミュニティにおいて異なる意見が出てくるのは当然かと。慎重な考え方をする人もいれば大胆な考え方をする人もいて、いずれにしても生活の糧として音楽をやっているわけでないとなれば、リスクとして捉える範囲も千差万別なのは当然ですし、そうした考え方の違いを尊重しつつ無理のない範囲で活動を進めていく、これもまた音楽の大切な側面だと私は思います。

まぁ、この2年弱まともに合奏さえ出来なかったことを考えれば、演奏の出来云々ギャースカ言わずまずは合奏が出来ることそのものを有難く感じながら楽しんで出来ればいいのかなと、それはそれで貴重な機会と捉えられればいいのかなと思います。

ではでは

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