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結果にこだわるな。原因にこだわれ。

自分の考えで実践できる選手は自分の可能性を信じられる。自分の整理と大人の指摘に隔たりがあったとしても、助言を素直に聞きつつ、取り入れるかどうか冷静な判断ができる選手は、小学生ではなかなかいない。

今日の目標は?と聞くと、この前の試合ではこういうことがあったから今日はこれができるようにしたい、そのためには何をする、と論理立ててきちんと話せる選手がいた。
話し出したら止まらない。投げること、打つこと、時には守ること、それぞれに課題設定ができている。そこまで話せるには、試合の録画を何度も見ていたのだろう。フォームの微妙な修正も一つ一つ丁寧に向き合える。頭の中で整理ができていなければ、筋道立てて答えることはできない。彼の話を聞きながら、その意思を固めるまでのプロセスと、それを続けられる根気に感心した。

大事な試合で負けてしまった時、いつものようにプレーを振り返る質問をしたが、負けたショックで答えることができなかった時があった。

僕の未熟さもあった。
彼は答えることができなかったのではなく考える気持ちになれてなかったのに、僕が何とか答えを引き出そうと質問したことで逆に言葉を出せなくなってしまった。プレーを振り返る前にベストを尽くしたことを認めることが必要だった。

でも翌週、いつものように今日の目標は?と聞くと、彼は熱弁を奮ってくれる。ピッチング、バッティングそれぞれに意思が育っていた。自分なりに分析し、原因を導き出す力は彼の志が身につけたもの。そして僕のコーチングの至らなさをカバーしてくれた。

6年最後の試合後に話を聞くと、にこやかに微笑んで、今日はもういいですと答えた。低学年の頃、興奮すると鼻血を出してしまうような負けん気の強い選手だったが、この時はやりきったという表情を浮かべ、心が和んだ。ずっと走り続けた彼にはとても大切な時間で、笑顔を見せてくれたことが嬉しかった。

そんな彼も今は中3生。
でもゴールはまだまだ先にある。

中学野球を振り返った時、自分をどう分析するのか。なりたい自分になるための障壁はどこにあるのか。どんな力をつけなければならないのか。
達成感の笑顔だけでなく、先を見据えたビジョンを話してくれるのを楽しみにしていよう。


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