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(C75) ビジネス・プロフェッショナルの仕事術(1)報告する (2019.4.16) by 財前龍胤 より抜粋加筆しました。

⑴ 報告の前提としての正確で客観的な状況認識

主観や思い込みや伝聞や、根拠(ソース)のない噂話は、「報告」とはいえません。

したがって、適切に「報告」するためには、正確で、客観的かつ批判的な観察や調査が前提となります。


ローマの政治家ユリウル・カエサルは、
「人間なら誰でもすべてが見えるわけではない。
多くの人は自分が見たいと欲することしか見ていない」
と言ったそうですが、これは状況認識の本質をよく言い表しています。


物事を客観的に認識するには、
観察力や批判的な考察する能力が必要であり、
これは経験により獲得されるスキルなのです。

見逃し・漏れ・抜け・チョンボをやらかしてその度に上司に怒られるなどして、痛い目に遭わないとなかなか身につかないものです。

そんな痛い目を繰り返し、以下の上司の小言や罵倒をリアルタイムで想定できるようになり、はじめて正確で客観的な状況認識ができるようになるのです。
①なぜこの点確認しないんだ
②こういう場合にはどういうシナリオになるんだ
③どうしてそんなことがいえるんだ
④根拠は何だ


⑵ 「報告」には具体性が必要

報告内容は、いわゆる「六何の原則(5W1Hの原則ともいわれる)」を過不足なく充足している必要があります。

この点、仕事がデキない人間の報告をみると、
「何時」や「誰」や「場所」等の要素が欠けていることが散見されます。

例えば、以下の書きぶりの報告です。
「今後、先方担当者からしかるべき対応を取っていただく予定である」

「今後」とは何時のことを指し、
「先方担当者」とは一体誰のことで、
「しかるべき対応」とはどのような行為を示すのか、
全く不明です。


③報告のタイミング

食べ物に「旬」があるように、報告の価値も報告タイミングとの関係で常に変動します。

報告書を作成している間に状況が変わってしまい、前提状況が崩れ、報告が無意味になることがあります。

「報告の価値は報告資料の厚さに反比例し、
報告のタイミングに反比例する」
というルールがあるそうですが、
効率よくビジネスを進めている企業ほど、弁解がましいレポートより、
カンタンなメモで要点を簡潔に報告することを好む傾向にあるようです。


⑷ 報告で用いる文章ですが、平易で簡潔な表現ほど好まれます。

ビジネスの現場ではスピードが価値そのものであり、本質をわかりにくくするような修飾語は、報告の価値を劣化させるだけです。

報告内容が乏しかったり、原因の特定や責任の所在を曖昧にしたいときほど、
用いられる表現は難解になり、という書きぶりの報告ですが、ボリュームが増えていく傾向にあるようです。


きちんと正式な報告書を求めれば求めるほど、以下の傾向を感じます。
①時間がかかる
②情報が少なくなる

スピードを求められる現代では、
チャットのようなメモレベルで報告するくらいがちょうど良いツールと感じています。

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp