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NCAA ヘッドコーチのサラリーと価値

大学スポーツとプロスポーツの大きな違いとして「人件費」の差があると思います。学生アスリートはアマチュアリズムのもと、報酬を受け取ることが厳しく制限されている分、プロスポーツと違い人件費が大きな負担にはなりません。その分と言っては何ですが、NCAAのディビジョン1ではヘッドコーチ(監督,HC)にプロ監督並みの報酬を与えているのです。学生はアマチュアであるが監督はプロ並みの待遇(プロ以上かも)を得ているという構造です。
その年の成績によってリーグから分配される金額や卒業生からの寄付金、リクルート(高校生)に影響を与えることもあり、大学スポーツ局は是が非でも資金をかけて指導力と実力を兼ね備えたヘッドコーチを配置したいんですね。
では実際どのくらいの報酬を受け取っているのか2大人気スポーツのフットボールと男子バスケで見てみましょう。

フットボール

出典:USA TODAY 
トップ10はアラバマ大学やオハイオ州立大学、クレムゾン大学をはじめ強豪校の監督が名を連ねます。
驚くのはその金額。トップのアラバマ大学のニック・セイバンHCは
日本円で約9億円/年も大学から受けとっている。契約の詳細は不明だがセイバンHCの自宅や車のローンの支払い、地元ゴルフクラブのメンバーシップ費を負担するなどの福利厚生もあると言われている。

参考:ニック・セイバン監督のお城のようなお家(約13億円)

アメリカの大学は大きく分けて州立と私立があるが州の職員の中で最も高給な職業を調べると驚くことに州知事や州立大学の学長を押しのけてフットボーか男子バスケ部のヘッドコーチであることが一般である。

黄色が大学フットボールのHC
オレンジが大学バスケ部のHC。いかにヘッドコーチの給料が高く、価値が高いかがわかる。

男子バスケットボール

出典:USA TODAY バスケもフットボールに負けじとかなりの高給ヘッドコーチが集っています。トップのケンタッキー大学のジョン・カリパリHCは先日、大学との契約を2024年まで更新し尚且つ「生涯契約」を結びました。もしそのまま引退したとしても大学のアンバサダーとして一生涯年俸を受け取れるのです。
驚きを隠せませんが実績を残し、大学スポーツの発展や実績に寄与する者には高額の年棒をきちんと払うという、ある意味指導者に対して公平な処置をとっているとも言えると思います。
さらには、こうした高額な資金源は大学スポーツ局が独立採算性で得た資金であり、大学本体の収入(学費、補助金など)からの資金は一切使われていないのがミソです。

アカデミック

ピッチで成績を残すことも大事ですが、学生は教室でも「成績」を求められます。そして学生の成績をきちんと管理するのもHCの大きな役割です。
卒業率や、GPAの成績によってボーナスの額も変動するのです。
現に、選手の学業の成績悪化が原因で解雇されたHCも過去に何人もいます。

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