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「王者は挑戦をやめない」 インタビュー スティーブ・ホルコム

2023-2024 Enduro GPシーン最も注目を集めた大型移籍。最強を誇るBetaファクトリーチームからRed Motoへ。王者スティーブ・ホルコムの真意に迫る。


 2015年、Enduro GPのジュニアクラスに彗星のごとくデビュー。フル参戦ではなかったためジュニアタイトルの獲得は無かったが、シニアにステップアップした翌2016年はE3クラスで初の世界タイトルをつかむ。以来、Betaファクトリーチームのライダーとして5シーズン、排気量クラスでのタイトルを含めると9度のタイトルを重ねてきた英国エンデューロシーンのヒーローがRed Motoに移籍。マシンは4ストローク250ccのCRF250RXで、ティーブ自身初めてのE1クラス挑戦だ。


-- 新しいバイクの調子はどうですか? SNSでのレポートを見る限り、ライディングは楽しそうですね。

Steve : はい、調子いいですね。普段はあまりSNSに投稿するタイプではないんですが、調子がいいとついつい写真やビデオを載せたくなります(笑)。かっこいいところを見てもらいたくなるんです。

-- 新しいチームに入って、チームメイトのライダーやメカニックたちと過ごす時間が多いと思いますが、雰囲気はどうですか?

Steve : すごくいい雰囲気でみんなぼくを歓迎してくれていることを実感できます。今まで自分がさみしい状態にいたんだということに改めて気づかされた感じがします。コースにいる時だけではなく、チームで過ごす時間を楽しんでいます。シーズン前にシチリア島でキャンプを行いました。シチリアは初めてで、すごく楽しかったですよ。ぼくはこれまでイタリアで長い時間を過ごすのがあまり好きではなかったんですが、新しいチームではまったく別の気分で楽しむことができました。

-- 新しいチーム、新しいバイク、しかも初めてのE1クラス、すべてが新しく大きな変化ですね。とまどいはありませんか?

Steve : 確かに大きな変化で、勇気も必要でした。ぼくのプロライダーとしてのキャリアで最大の転機です。だからとても緊張しましたが、チームのみんなと過ごすうちに、この環境、この仲間はぼくにとって最適で、ぼくの能力を最大限に引き出してくれると自信が持てるようになりました。4ストロークの250は、ヨーロッパ選手権時代の2014年に乗ったのが最後なので長いブランクがありますが、CRF250RXは、ほんの数分乗っただけで自分のバイクになった感じがしました。ハンドリングは最高で、すぐに自信が戻ってきましたよ。

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