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エンデューロ日記 No.49 - トレイルの文

ガレージを出て街を抜け郊外の道へ。

山野を駆け回り、しばらく走ったらまた街へ戻り、家にたどり着く。

今では、ダートバイクでそんな「普通の」楽しみ方ができる環境も貴重になってしまったが、ダートバイクの楽しみというのは、もともとはそんなものだ。

トランスポーターが必要で、モトクロスースにいかなければ走る場所もない。いや、モトクロスはモトクロスでそれはいいのだ。だが、バイクというのはそれだけの乗り物ではない。もっと広く、あらゆるところに出ていけるものであるとするならば、こんな楽しみ方もあきらめたくないものだ。

仮に、そういう楽しみ方をトレイルライディングと呼ぶことにしよう。

上の写真に紹介しているのは、Motion Proというアメリカのメーカー製作しているトレイルツールのシリーズ、その代表作のひとつだ。

Motion Proのトレイルツールは、非常に使いやすくデザインされ、かつ軽量コンパクトで、ライディングの妨げにならない。そのため多くのエンデューロライダー、ラリー選手にも愛用者が多い。


T-6コンボレバー2本のセット

この写真、Motion Proの代表作のひとつといっていいぐらい人気がある製品。タイヤレバーと、ホイール周辺で使用頻度が高いサイズのレンチが一体となったもの。大きな方は、リアアクスルナットに合うサイズ(22/27/32mm)、小さい方は、11/12/13mmなどのサイズ(数種)がラインナップされている。

複数の機能がひとつのツールにまとめられるのは、携帯型ツールの常道、なのだが、専用品に比べてどうしても使い勝手が悪い、なんていうことが多い。Motion Proの製品は、そこがちょっと違う。

タイヤレバーとしてもレンチとしても高機能で、しかも100グラム程度とおそろしく軽量。タイヤレバーの先端部分は、一方は、リムに必要以上にレバーが滑り込まないようなリブが設けられていて、タイヤを組み込む作業時に、チューブを噛んでパンクさせてしまう心配がない。

7075 T-6アルミ素材は、軽量で堅牢ながら、アルミリムへの攻撃性が低いのも良い。

まあ、出先でパンクするということはあまりないものだが、しかし必要不可欠な装備だから軽さはまさに正義。

Motion Proの製品には感心させられのものが多く、どれも実際にトレイルを走っているライダーが考えて、考え抜いて開発したのだろう、と、その背景に思いを巡らせるのも楽しい。

トレイル、というのは、日本てばトレイルランニングのようなものがメジャーになっためか、登山道や山道、散歩道のことや、そうしたところを歩いたり走ったりする行為のことを指すようになっているきらいがあるが、もともとはそうではない。

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