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サッポロビール WATER SOURと日本のハードセルツァーと。

■ジャパニーズハードセルツァー

サッポロビールさんから、新商品「WATER SOUR」が発売されました。
3%のローアルコール、無糖&低カロリー、炭酸テイスト、甘味なし
アメリカのハードセルツァーに着想を得た「日本生まれのハードセルツァー」とのこと。

最近、日本発ハードセルツァーの発売が相次いでいて、オリオンビールが先陣を切り、今回のサッポロビールが続いた形になりました。コカ・コーラのノメルズはハードレモネードだけど、ジャンルは近似で、ハードセルツァー「トポチコ」も販売予定と聞いております(もう売ってる?)

この3社がハードセルツァー系銘柄の開発・販売に至った理由は、わりとわかりやすいよね?
そうだね、シェアだね!!

スーパーの酒売り場でチューハイコーナーを眺めると、おおよそ1/2~1/3がキリンビール。あとはサントリーのストゼロに、アサヒ、タカラ、サッポロ、その他で構成されている。また低アルコールではサントリーが強い。

3社はこの売り場に食い込みたい、もっと食い込みたい。
限られた陳列スペースの中で自社製品のシェアをどう伸ばすか。
パイの奪い合いに参加するための商品を!

オリオンビールのチューハイ「watta」は全国展開したけど全然食い込めてないから次の手段を。コカ・コーラは好調の檸檬堂に続く二の矢、三の矢として。サッポロは男梅と99.99は売れているがどの店にも置いてあるマスト商品とも言い難いから、また別の手段を。

そもそも、チューハイは各社のバリエーションが豊富で飽和状態に近い。ストロングタイプ、低アルコール、定番の果実、限定商品がもう色々出ていてより取り見取りだし、キリンの牙城を崩すのは中々に難しい。コカ・コーラの檸檬堂は綿密な商品開発とマーケティングでガッチリ食い込んだけど(※)

まぁそんな感じで、チューハイ戦争に参加するアンサーが「ハードセルツァー」ということなんでしょう。

実は1年ほど前にハードセルツァーについて書いたのですが、日本でハードセルツァーが流行するのにネックになるのは値段と、チューハイ&ハイボールとの競合だとは感じておりました。

そういう意味では予想に近い展開ではありもうした。そうか~サッポロが出してきたか~。こういう自分の読みが合うと楽しい。

※ハードセルツァー系カテゴリは、さらに元をたどればZIMAやスミノフソーダのようなアルコール炭酸飲料(アルコポップ)の流れだと思います。
その中で「ハードセルツァー」です!と認識(タグ)を作ったのがお強い。

WATER SOUR

さてサッポロのWATER SOUR。炭酸水テイストが売りで3%のローアルコール、無糖&低カロリー、甘味なしが特徴。

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うん。確かに炭酸水テイスト。確かにそういう味。
写真はレモン。オレンジバージョンもあるけど、レモンの方が美味しい。
キリンのビターと傾向はちょっと似ているが、苦味が無いのと度数が少し低いところが大きく違う。まぁ、悪くない。そこそこ良い。

原料にウオッカを使ってるので、ある意味初期のチューハイブームに先祖返りした感もある。

自分ならどういうシチュエーションで飲みたいかを考えると。
まず、甘くないのが飲みたい時。口の中に甘みを残したくない時。
甘味なしならハイボールがあるけど、フレーバーが邪魔な時もあるから、ウォーターサワーのクリアさが嬉しい時。
まぁ、ようするにあれだ、料理しながら飲んでる時。それにBBQで肉を焼いてる時にもいい。ローアルコールで酔いすぎないしガブガブ飲める。フルーツフレーバーも軽いから、味見の邪魔にもならない。

そういう意味で、一番気に入ってるのは価格だ
スーパーで買えば100円くらい。

■ジャパニーズハードセルツァーの今後

私としてはコカ・コーラのノメルズが出た時点で、ハードセルツァー系カテゴリは確立されたと感じています。強い。
「ハードセルツァー」のシェアが拡大したので、キリンも後に続く可能性は高い……となるとウォーターサワーさん負けそう。頑張って。
味のリニューアルとパッケージをこう……もっとお洒落にした方がですね……。サッポロの実直なデザインは嫌いじゃないですが、もっとこう……。キャッチーさというか人の心をキュンッとさせるデザインというか…。フレーバーをですね、カボスとかとかそういう方面出してください、クランベリーやマルベリー、ライチやキウイとかどうですかね。是非。うん。

以下はおまけ

■自家製カクテルの基材に実は良い

実はこのウォーターサワーカクテルの基材に良いよ。ウイスキー入れてハイボールにしたり、ジンやラム入れてもイケるよ!甘味加えるのも良い良い。そういう意味でグレフル買ってきて絞ったり、自家製梅酒とミックスするのも良い。やなんかコンセプトに逆行してる気もするけど。美味いが一番よ。普通の炭酸使うのとまた風味が変わってくるし、アルコール度数が3%のおかげで、加える蒸留酒やリキュールの割合が少なめでも味が整いやすい。
マジオススメ。ぜひ試してみて。

■アルコポップの世代交代

上にもチラッと書いたけど、若者向けアルコール飲料(アルコポップ)って若者がおっさんになると陳腐化してしまうので、ZIMAやトゥードッグス等のアルコール炭酸飲料の流れを汲み、下の世代に向けリブートされたジャンルがハードセルツァーやハードレモネードという認識でだいたいあってるはず。さらに源流について書くとモルト原料のアルコポップ、1990年代のトゥードッグス(ハードレモネードの発売と、透明飲料ブームからのZIMAの流れがミックスされたもの…みたいな捉え方でだいたいOK(のはず)。ハードセルツァーは