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例え本当にクライアントが原因で遅れたとしても、責任はディレクターにある

新人「びっけさん!スケジュール引きました!」


ボク「——ここでデザイン着手になってるけど、支給される素材は間に合うの?クライアントは用意できるって?」


新人「準備しますって言ってくれてます」


ボク「でも、あそこの担当者は結構調子がいいからなぁ。ちゃんとプッシュして、進捗は確認しておきなよ?」


新人「でも、お客さんの都合でスケジュールが遅れたら、それはお客さん都合なわけで。仕方ないですよね!そうしたらまたリスケします」


ボク「は?何いってんの?遅れたら全部お前のせいだぞ


▶クライアントのせいにしたところで、納期は待ってくれない

クライアントの連絡漏れ。素材の支給遅れ。ワイヤーフレームにおける要素の不足が発覚。デザインのチェック漏れによるコーディング修正。原稿遅れ。 etc.

クライアントが原因で制作のスケジュールが押してしまうことは、往々にしてあります。

じゃあクライアントが遅れの原因なんだから、納期もそれに合わせて後ろにスライドさせるのが道理でしょう!

と思われるかもしれませんが、そうではありません。

理由はいくつかあります。


▶ディレクターは目的にフォーカスしなさい

まず、クライアントは納期を待ってくれません。リリースする日を決定したら、その日に向けて制作会社が色々なんとかしてくれると思っています。

仮に自分たちが遅れの原因だったとしても、それを理由にリリース日を遅らせようなんて、自分たちからは絶対に言いません。

「原稿の支給が2日遅れちゃったから、納品も2日ズラしていいよ!」なんて言うはずがありません。

ディレクター側が「大変申し訳ないのですが——。」と交渉をして、ようやく納期を一日ずらせるかどうか。そういうものです。


次に、そもそもディレクターの役目は、遅れの責任を追求することではない点。犯人探しなんかしても意味がない。

ディレクターの目的は、クライアントの満足度を120%にすること。目的達成のために、プロジェクトチームを一丸として、互いに高め合いながらより良い制作物を作り上げること。

自分の仕事を正当化するために、遅れた原因を責め立てるのはやめましょう。


最後に、2日遅れたからといって、後ろに控えてる予定すべてを単純にスライドさせることはできない点。

制作にあたっては、デザイナーさんやコーダーさんのスケジュールを抑えたうえでスケジュールを組んでいます。そして、各担当者は複数のプロジェクトを受け持っていることがほとんどです。

各担当者は自分の仕事量とタスクの量を見極めて、自分の今後の予定を計算しながら動いています。

一日ずれたら、他の案件の予定とぶつかるかもしれません。もともとぶつからないように予定を組んでいたのに、一日ずれたことによって制作スケジュールが被ってしまった。

人ひとりが行える仕事量はレッドブルを飲んでも急激に増えるわけではないので、結局制作者が残業を強いられます。しわ寄せはいつでも制作担当者なのです。


ディレクターは、プロジェクトを円滑に進めることが目的です。

どうしたらスムーズに案件が進むだろうか。そこに頭を悩ませなければなりません。

そのためには、クライアントに振ったタスクをプッシュする必要があるかもしれません。ときには言いにくいこともあるでしょう。

でも、すべてはお客様を満足させるためですので、真摯な態度で交渉に当たらなければならないのです。

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