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スクンビットに麻薬マフィアを探して

    この文は麻薬マフィア「マントゥックメット(下記リンク参照)」摘発が表向き一段落したタイを筆者が2019年2月に訪れた際の記録です。リーダーの神様ゾロことパンナウィット容疑者は現在(2019年6月)もミャンマータチレクから引き渡されていない模様。

    タイ・ミャンマー間で犯罪人引き渡し条約が無い上、同容疑者がタチレク及びタイ北部を勢力地とする南ワ軍(英語ではSouthern UWSA)の司令官であるジャローボー大佐と思われる人物の娘婿となれば「ワ州連合軍支配地」では不逮捕特権を持っているも同然なので無理もないという、日本人には難解な世界。一方で末端組員の一部がバンコクに潜伏したとの報道も。

    そこで、「マントゥックメットはリーダーの神様ゾロがまだ30代前半で構成員の平均年齢も低い。アウトローが同郷の女性のヒモや風俗店の従業員になったりするのは万国共通。タイ人同士では履歴書を提出する可能性が低く、縦割り行政では逮捕状が出ていても何年も逮捕されないことも普通」と考えソイカウボーイの幾つかの店で話を聞いてみたのですが、その前に下記のタイ語報道拙訳を読んで頂きたい。

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    2019年3月1日、トンロー署はパトゥムターニー県でプルームことチャイサック(24)を逮捕し、ヤーバー35600錠、バンコクナンバーのバイク、スマホ等を押収したことを公表した。それに先立って2月22日にトンロー署は薬事犯を逮捕しており、その逮捕者エーは「本名は知らないがソイナコンチャイモンコンヴィラ1のアパートに住むプルームという男から麻薬を買った」と自供し、プルームの人相等を警察に知らせた。

   当局はプルームが麻薬売人だと確認してからエーを通して麻薬を買いたいと持ち掛けた。そして待ち合わせ場所を包囲した上でバイクに乗って現れたプルームに捜査官は身分を明かし、捜査した結果ヤーバー2000錠を発見。また家宅捜索の結果黒いバッグの中に隠されていたヤーバー33936錠も見つかり、逮捕するに至った。

    プルーム容疑者によれば、数か月失業中のところ友人からタイ・ミャンマー国境に本拠がある巨大麻薬組織の売人であるディー(仮名)を紹介され、彼から毎回種類の異なるヤーバー(訳注:生産地により刻印等が違う)を受け取り、バンコクとパトゥムタニーの一部の指定された場所にヤーバーを置いていくという商売をするようになった。同容疑者は商品受取人と1回も会ったことがなく、逮捕歴も無かった。
    警察はバンコク近辺に拠点を置く巨大麻薬組織の詳細を今後捜査する予定。
以上拙訳。

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